Scribble at 2026-06-19 17:08:27 Last modified: 2026-06-20 08:02:47

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ここ1年は、京都へ出張した帰路の途中で、京阪三条駅の地上出口があるテナント・ビルに入っている BOOKOFF へ立ち寄っていたのだが、そろそろいいかなという気がしている。京大の近くに立地しているだけあって、洋書の類も少しはあるけれど、それを打ち消して余りあるほどの欠点があるからだ。

まず欠点の一つは、心斎橋の BOOKOFF でも言えることなのだが、総じて BOOKOFF は値段が高い。廉価なタイトルもあるにはあるが、それらはもともとワゴン・セールするような駄本の類であり、200円でもいらないという本ばかりだ。それが、欲しい本だと定価の6割くらいまでしか安くなっていない。引き取り価格が上がっているなら売値も上がるのは分かるけれど、高く買い取ってもらって助かったなんて話は聞いたことがないし、実際に僕が古書店に引き取ってもらっているから、引き取り価格のおおよその想像はつく。だいたい、いま書店で新刊本として販売されている書籍でも、せいぜい高くて数百円で引き取ってもらえば成功と言っていい。それが4割引きていどで販売されているのだから、売れない本が多いと在庫の問題があるから利益を出す必要はあるのは当然だとしても、100円で引き取った本を1,500円で販売しているのだから、1冊あたりの利益率は、実はもともとその本を出した出版社や新刊書の書店よりも多いのである。

実例を挙げよう。上の写真は、さきほど買ってきた『これならわかる深層学習入門』(瀧 雅人/著、講談社、2017)の任意のページを適当に開いて撮影した写真だ。つまり、どこを開いてもこんな感じにマーカーや下線や書き込みがある。もちろん、これを承知のうえで買っているから金を返せみたいな話をしたいわけではない。考えようによっては、これだけ最後の方のページまで使った形跡があるのだから、しっかり勉強したのであろう。逆に微笑ましいし、僕もしっかり通読しようと奮起させられるくらいだ。しかし、通常の古書店がもつ査定の基準で言えば、破損した本に匹敵するくらいの低い評価になるはずである。単に古い本というだけではなく、或る意味では「汚れた」本だからだ。しかし、BOOKOFF での販売価格は1,800円だった。定価は3,000円であるから、ちょうど4割引きである。もちろん、人によっては4割引きでだろうと、ここまで書き込みがある本はいらないという人も多いであろう。となると、需給の関係によって販売価格は下がるはずだが、発売されてから10年近くが経つ本であるにもかかわらず、大して安くなっていない。試しにアマゾンで調べると、だいたいどこも「良」つまり書き込みなし(経年劣化はあり)という状態の本で、送料も併せて1,300円前後という店が多い。つまり、BOOKOFF は送料のない実店舗で書き込みだらけの状態の本を買ってすらアマゾンの同業者よりも500円ほど高いのである。

そして、京大に近い古書店であるにもかかわらず専門書が少ないというのもマイナスだ。おそらく、専門書を買うような学生なら専門の古書店に引き取ってもらうからなのかもしれない。しかし、それだけでは説明がつかないくらい、品揃えが心斎橋店と大差ないのである。心斎橋店よりもかろうじて多いのは、洋書くらいのものだ。これなら、正直なところ古書店に立ち寄る目的の一つだと言ってよい、知らなかった本との出会いというものが期待できそうにない。通俗本なんて出会おうと出会わなかろうとどうだっていいが、専門書の場合は一期一会ということがありうるのだ(マリオ・ブンゲの『因果性』やカール・ヘンペルの『科学的説明の諸問題』などを手に入れたのは、本当に偶然だった)。残念ながら、三条の BOOKOFF にはそういう期待ができそうにないのである。あれならアマゾンで本を物色しても大差ない。

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