Scribble at 2026-07-22 16:45:02 Last modified: 2026-07-22 17:28:38

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https://note.com/rockey2799m/n/ncdbe4050e510

そうかね。この何の根拠もなく「脱サラして年収を五倍に引き上げた」とか言ってる、ユーチューバーと自称してる人物こそ、根本的に誤解してると思うよ。

たとえば、社会学者の岸君は大阪の雑踏とか風景を撮影して小さな写真集を出版してるけど、あれ京橋とか淀川とかって他人が建設した建物しか写ってないし、他人が造成した堤防しか写ってないわけで、エベレストの山頂を撮影した写真ですら、誰の手も借りていないなんてことはありえないわけだよ。そもそもにおいて芸術というものは本人が全ての要素や素材を用意するなんて不可能なわけで、本人自身の肉体だって両親から生まれたわけだよ。いまや、現代のアーティストは全員が他人の作った道具で仕事をしている。筆を自作して作品を創る書道家はいるだろうけど、じゃあ紙は? 墨は? 水はどこから汲んできたの? そもそもどうやって食べてるんですかという話もある。創作とかクリエーティブというものが本人だけの知性やセンスだけで成立するというのは、哲学者として言わせてもらえば初歩的な錯覚だ。

生成 AI のトレーニングに使われたソースについて、著作物の(違法かどうかはともかく、少なくとも)不正な利用だという理由で非難することは一つの見識だろうと思う。だが、この人物はコメントで自ら「他人の成果物を合法とはいえ学習して利用(コラージュとは言ってない)して作ったAIイラスト」と言っていて、生成 AI のモデルが仮に合法的に著作権の問題がないソースだけでトレーニングされた場合であっても、誰かの作品なりアイデアを利用したから不正だと言う。これは、正直なところ日本の著作権法を遥かに超えるスタンスだ。なぜなら、日本の著作権法では「アイデアやスタイルと著作物の二分法」というコンセプトがあって、イラストの画法などは保護されないからだ。こういうものを個人の財産として保護すると、他人が自由に参考にして画法を発展させることができなくなるからだ。「他人の技法や画法を真似てはならぬ」というのは、書道で言えば「臨書してはならぬ」と言うに等しい。しかし、それは芸術においては常識だと思うが、何もないところから生み出すという極めつけの傲慢や思い上がりである。

そして、二つめにこういう人物の発想が困るのは、プライベートに作った画像ですら不正に作成したものとなってしまうことだ。たとえ自分のパソコンだけで保管してあり、オンラインどころか他のどこにもコピーしたり他人にも見せていないような画像ですら不正な制作物ということになってしまう。なぜなら、こういう芸術と道徳を混同してものを考えるような手合いは、自宅で個人が何をしていようと「神様が見ておられる」式の理屈で、AI を使う人間は裏で絶対に何か悪いことをしているとか、AI を悪い動機で使っているはずだという魔女狩りや異端裁判と同じ理屈でものごとを語り始めるからだ。クリエーティブという崇高な(しかし未熟な人間の勝手な妄想の産物である)理想においては、それを守ると宣言する自分たちこそが神の使徒であり神の代理人であり、AI を使う者はインチキで神を欺いて天国へ行こうとする異端者なのである。

僕は、正直に言えば Civitai とか画像の投稿サイトなどに下らないエロ画像を投稿しているガキや変質者は、どうにかしたほうがいいと思う。そういう意味で、生成 AI のユーザの多くがもっと委縮するような措置をとるべきだろうと言いたい。テキストについても、学位論文や文学のコンクールなどで生成 AI の利用を禁止するポリシーは妥当だろうと思う(それで何のリスクや不当があろうか。技術とは違って、芸術は競争どころか先を争うようなものではないはずだ)。Civitai や Seaart といった愚劣な画像を大量に公開しているサイトの運営企業は、そろそろ行政当局の牽制を受けてしかるべきだ。しかし、それは生成 AI の利用が「手抜き」だからなのではない。僕が当サイトでたまに公開している画像にしても、おおよそ1,000枚くらい出力した中から選んでいるわけであって、その選択にあたってのセンスは、とりあえず僕がプロのデザイナーを名乗っているていどの能力や判別のセンスなり経験なり知識は必要だと思っている。また、そういう画像を生成するために使うプロンプトの組み方にしても、キーワードの集め方や構成など、ごく普通に芸術家が色々と試行錯誤するプロセスと変わらないわけであって、上の記事を書いた Rocky という人物が書いているように、「なんかいい感じの風景」などと生成 AI に命じるだけで絶妙な画像が間違いなく出力されるわけではないのだ。

ただ、年収が何倍とか言ってる小僧が錯覚するのも無理からぬことだとは思う。バカで自ら調べたり試したりしない人間が物事を知らなくてもしょうがないからだ。つまり、画像生成 AI の「実務」というのを殆どのユーザが公表してこなかったし、詳細に、あるいは具体的に議論したり解説しないのだから、多くの人々が無理解や誤解に陥るのは当然なのだ。

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