Scribble at 2025-10-01 14:58:12 Last modified: unmodified

弊社にも M&A の引き合いが毎日のように問い合わせフォームから送られてくるのだが、こういうのはたいてい碌でもない事案だ。コマーシャルでも M&A に関わるサービスや会社の宣伝は喧しいが、その手の業界で広く知られていて歴史のある大手の企業というのは、ほぼない。ということは、たいていは中小の、大して情報収集能力もなければ、金融機関などとのパイプもない、要するに情報ブローカーにすぎない連中が、口利きをしているだけなのだ。こういう場合、買収元である大手企業などの実質的には代理店みたいな動きをするので、買収先の企業にとっては買収元と M&A 仲介会社とがグルになっているケースも多く、それゆえトラブルが多発しているのである。

簡単に言えば、財務的に逼迫している企業を探す。そういう会社は帝国データバンクで(もちろん有料の会員にだが)手に入る評価データを元にすれば簡単に分かる。特に、自己資本比率が極端に低い(借り入れや第三者増資割当などが多い)なんて指標は、非上場だと分からないことが多いため、たいていどこでも帝国データバンクのスコアを見ているだろう。すると、その会社がいくつかの事業を展開していれば、その中でどういう事業が足を引っ張っているかも分かるので、そういう弱い事業に目をつけて「某社が事業を譲渡してもらいたいと望んでいる」といった照会を始めるわけだ。

実際に買収しようというのだから、買収元が当該の事業を引き受けたいと思っているのは事実だろう。だが、それは非常に安ければの話なので、最初に出した金額なんかで買収するわけがないのだ。キャッシュに困っている買収先であればあるほど、それなりの金額を提示されたら手放そうとするものだが、そこは駆け引きで、可能な限り買収元は意思決定なり契約を引き伸ばす。そして、最初に社長が2億で買収を打診していた体にしておきながら、最後の最後で社外取締役がブレーキをかけたので5,000万しか出せないといったことを言い出す。そして、M&A の仲介会社も「いまがチャンスだから、逃すと引受先はない」と諦めさせるわけだが、M&A の仲介会社も最初からそういう手法は承知の上である。

もちろん、こういう事例が多いと M&A の仲介という事業そのものが「やくざ者のやること」という印象になるわけだが、この世に存在する殆どの詐欺と同じように、金儲けの手法はいくらでもある。M&A の仲介なんていう事業が立ち行かなくなろうと、その手の人々は新しいインチキ商法をいくらでも新しく思いつくのであり、最強のベンチャー経営者とは、実のところ詐欺師である。

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