Scribble at 2025-10-02 20:24:48 Last modified: 2025-10-17 20:31:28
医療・看護・福祉系の資格試験で使うテキストとして、「レビュー・ブック」というものがある。OED には1796年に初めて使われたという記録があるほど古い言い方らしく、"review" には「復習」という意味があるので、つまるところ既に一定の勉強を終えた人が試験対策として利用する、要点を整理した参考書という意味になる。したがって、レビュー・ブックの殆どは重要項目を列挙しているだけの内容であり、初学者が手にしても項目どうしの論理的な関係や前後関係が理解不可能な暗記項目の羅列にすぎない。なので、体系的な内容だからといって、あれこれと買うよりも一冊だけこれを買って勉強すればよいと思い込むのは禁物だ。これを最初に手にしたところで、項目別に闇雲な暗記だけができる人物であればともかく、ふつうの人間には脈絡が欠落しているので覚えにくいし、覚える意味も分からない。もちろんだが、これを暗記するだけで資格を得たとしても、そんな資格マニアや暗記小僧など、福祉や社会保障にとってはゴミみたいな連中だ。
哲学用語を列挙したり、古典的な論点や論争を並べて面白がってるようなバカどもの文庫本が何万冊売れていようと、そんなものは日本の読者の民度や知性を引き上げる手助けになどなっていない。そういうものを読み流したり暗記するような人がどれほど増えたところで、社会どころか自分自身が人として生きるための役には立たない。そして、それが分かっていながら編集したり出版している(いや、著者当人が自覚すらしている場合もあろう)自己欺瞞を続けている限り、本なんてそのうち売れなくなるに決まっている。それは何も YouTuber やオープン大学などのせいではなく、出版業界の自滅なのだ。