Scribble at 2025-09-03 06:29:18 Last modified: 2025-09-03 07:16:45
[追記:脈絡が分からない方はこちらをどうぞ。https://www.markupdancing.net/archive/note.html?date=769eac48fbd7ff7a0aab1f054f8fd540]
渕野さんによる線型代数のテキストで紹介されている三宅敏恒氏の『線形代数学: 初歩からジョルダン標準形へ』(培風館、2008)という教科書に興味を覚えた。なんでも、幾何的な、あるいは図像的と言ってもいいのか、要するに図で線型代数を把握するという手法を排除すらしていると言われていて、もちろんこれはこれで一つのアプローチとしてありえる話だから、一見の価値はある。
ということで、三宅氏の本を物色していると、2022年に Springer から英語版として再刊されているようだ。
ちなみにだが、他に「クセのある線型代数のテキスト」と言えば、伊理正夫氏の『線形代数汎論』(朝倉書店、2009)を挙げておきたい。受験数学的な要領で数学を得意にしている(そして、数学科に入ってクズみたいな教科書を書いてきた)人々にはとっつきの悪い本だろうと思うが、僕らのように受験数学が苦手なのに『大学への数学』(雑誌の方)を愛読していたという変な生徒だった人々にとっては、面白い教科書だ。
あと、「変わった数学の本」という話題に広げると、決まって森毅氏の本を出してくる人がいるんだけど、僕は彼の本は「教科書」だとは思っていない。あれは「~入門」などとタイトルが付いていようと、プロダクト・マネジメントの立場から言って「詩集」みたいなものだと思うね。公に流通するような書籍にするものではなく、京大の講義で藁半紙に印刷して配るような類のものだと思う(だから程度が低いと言いたいわけではないが、どう考えても想定する読者を制限しすぎていて、僕にはごく趣味的な文章だとしか思えない)。