Scribble at 2025-03-30 08:48:38 Last modified: unmodified

海外の百科辞書的な叢書あるいはシリーズの出版物を、国内の出版社が翻訳のシリーズとして取り上げるという事例は、これまでにも幾つかあった。そして、ここでは何度か言及しているように、最近は Oxford University Press の VSI (Very Short Introductions) という叢書の翻訳が多いのだけど、昔とは違って叢書全体を引き受ける、つまりは契約の話でもあるが、叢書の一部なり大半の翻訳を独占して引き受けて翻訳するというコミットメントをする出版社がいないらしく、色々な出版社から色々な体裁で翻訳が出ている。装丁も判型もバラバラなので(丸善は VSI に近いが、他の出版社からはA5判で出ている場合が多い)、VSI からの翻訳であると説明されなければ、単独の書籍を翻訳したかのように思う人もいるだろうし、あまりないとは思うが原著を読んでいながら別の書籍だと勘違いして翻訳も買ってしまう場合だってありえる。

では、そういう状況に何か問題や懸念があるのかというと、情報あるいはコンテンツとしては問題ないはずだ。まさか翻訳の判型なり装丁なり、つまりは手に取ったときの体裁やデザインが「揃っていない」からといって、それで内容の是非や可否に疑問を感じる人はいまい。だが、出版社が異なるということは、もちろん翻訳を担当する人物との伝手だったり、あるいは翻訳者の選定基準が異なっている可能性があるので、それはそれで一つの懸念になりえる。そもそも叢書とは一つの方針で編集されている出版物であるから、著者の選定基準も同じ方針を採っているわけで、翻訳するときに翻訳者の選定基準が出版社ごとに(契約に際して OUP から何らかの助言や条件があるかもしれないが)変わることを OUP がどのていど許容するかはわからない。ただ、これだけ装丁がバラバラであることを OUP が許容しているのだから、日本の出版社側にはかなり裁量が認められていると考えて良いわけなので、翻訳者の選定基準についても、あまり詳細かつ厳格には取り決めていない可能性がある。

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