Scribble at 2024-08-06 10:23:30 Last modified: unmodified
一般論として(しかし多くの人々は一般論だと思っていないようだが)、「分かりやすい」とか「60分で分かる」などというタイトルやキャッチ・フレーズの書籍は、どういう話題についてどのていどの範囲で分かりやすいかという条件によっては、正しいこともあるだろうし、間違っていることもある。僕は市井にあふれている「分かりやすい」と称する本を、ただやみくもに憎んでいるわけでもなければ、卑しいと軽んじているわけでもない。言語、コミュニケーション、そして認知言語学や社会学の理屈から言っても、言語や映像や音声などの表現によって、少なくとも発信者の伝えたいことが低コストで正しく伝達できている(という共通の同意をひとまず達成できる)ならば、それに越したことはないからだ。僕が都内の三下編集者どもや通俗物書きどもを押し並べて「無能」だの「ビキニ・アーマーの幼女を表紙に描いて『哲学入門』などと抜かしている、キャバの客引き同然の連中だ」などと書いているのは、単に彼らが無能でバカだからでしかない。これは、地面の石を眺めて「石が地面に落ちている」と言っているのと同じである。