Scribble at 2024-08-04 17:29:00 Last modified: unmodified
いい加減な書き方をすることがあるのだけれど、本来は「哲学者」とか「思想家」というものにプロもアマチュアも素人もないという気がしている。つまり、何か或る一点において哲学者であるとか思想家であるということが決まってしまうように思うからだ。もちろん、自分自身で名乗っている以上は、そういう条件を満たしていると思ってはいるのだが、しかし自分で勝手にその条件を設定しているとなれば、それこそ哲学者でないとか思想家でないと言うべき条件の一つである自己欺瞞というものであろう。とは言っても、正確かつ明解に条件が分かっているわけでもなんでもないのだが。
しかしとにかく、哲学者であるかどうか、あるいは思想家であるかどうかについて、たとえば「科学哲学者5級」だとか「社会思想家2段」なんてものがありえないのは確かであり、それゆえそういう馬鹿げた発想の通俗的なパターンである、よくある「中級レベルの読み物」だとかいった意味不明な表現にも、妥当な要件などありえないわけである。そして、これもよくあることだが、そういうクズみたいな表現を使っている当人こそ、その「中級レベル」とやらを超えて自分が何か「プロの哲学者」とか「上級思想家」として未熟な諸君になにごとかを指南しようという妄想に陥っているのだろう。
もちろんだが、それゆえ僕がここで書いているように、科学哲学のテキストを制作するとは言っても、それは「初心者向け」に「上級のアマチュア哲学者」がなにごとかを開陳してしんぜよう、みたいなスタンスで書いているわけではない。いくらなんでも、僕はエンジニアや会社の部長としては有能だと思うが、博士号をもっていないのは事実なのだし、上級もクソもない。別に大学の1年生と比べて何かが特別に(哲学に携わろうという者として)勝っているというわけではない。記憶している情報量は多少の差があっても、それですら正しい情報を、正しく理解して、正しく記憶にとどめ、正しく表現しなおせるという保証など無いのである。そのていどには、僕だって人並みに慎みがあるというわけだ。