Scribble at 2024-07-23 09:01:33 Last modified: 2024-07-23 16:41:53
なんで県に寄贈した資料の誤廃棄で県立大の学長が謝罪しているのか、記事ではよくわからないので調べてみた。厳密には、奈良県と奈良県立大学は別の組織だし、必ずしも全ての事業について通達や行政組織としての命令系統の関係にあるわけではないからだ(たとえば、奈良県立大学に婚姻届を受理したりマイナンバー・カードを受け取れる窓口なんてない)。すると、奈良植物研究会のサイトに要望書が掲載してあった。なんでも、県と保管を約束して、奈良県立大学の標本庫に搬入されてから奈良植物研究会の会員によって配架されたという。なので、県と県立大学に、そのていどの連携があるというのは分かる。
さてしかしだね、国家官僚から大学にいたるまで、この「誤廃棄」という話題を報道で見かけることがあるのだけれど、そろそろ「行政犯罪」あるいは「文化犯罪」として刑罰の対象にしてもいいんじゃないかと思う。もちろん、失われた資料や記録は元に戻らないわけだが、最低でも牽制にはなるし、愚かなことをした人間を吊し上げて見せしめにはできる。なんと原始的なと思うかもしれないが、はっきり言ってこの国は(いつものように人類史スケールの保守思想家として言わせてもらえば)文化的後進国だ。原始人として、何を恥ずかしがる必要があろうか。それとも、諸君は東大教授だったり科学哲学を論じているから先進国の文明人だとでも思っているのだろうか。
この件が深刻なのは、構内の適当な倉庫に保管していたわけではなく、そもそも標本を保管するための専用の施設に配架していながら、何の確認もせずに廃棄しているということだ。いくら大学教員に事務的な実務能力が欠けた社会的不適合者が多いからといっても、そもそも学者の姿勢としてあまりに未熟すぎる。もし博士号をもっているなら取り上げるべきだとすら言える無能さだ。