Scribble at 2023-08-27 14:48:56 Last modified: 2023-08-27 15:59:04
大昔の The Journal of Philosophy に、"A Definition of Causation" (I - IV) という連作の論文を見つけて、W. H. Sheldon という人名を調べてみたのだが、William Herbert Sheldon ではないのだろう。もしそうなら、この論文は1914年に出ているから、シェルドンが16歳のときに書いたということになるが、この人物が The Big Bang Theory でプリンストン大学の博士号を「紙切れ」と侮蔑するくらいの早熟な天才だったという話は知らない。それに、論文の末尾にはダートマス・カレッヂという所属先が書いてあるため、まだ高校生だったはずの William Herbert Sheldon とは別人だろう。で、ダートマス・カレッヂのサイトを見ても、歴代の教授を遡って紹介するなんて金儲けとは何の関係もないコンテンツをアメリカの大学がつくるわけもなく、調べようがない。いまは Amie L. Thomasson がいることだけ確認しただけだ。
この "W. H. Sheldon" という人物は、他にも興味深いタイトルの論文をいくつか JP に発表していて、特に因果関係についての論説は当サイトで訳出してもいいなと思うのだけれど、ウェブに情報が全くない人物だと、著作権が切れているのかどうか簡単には分からない。Documentation Center のようなところへ照会しても、あそこは著作権が切れていても幾ら払えとかメチャクチャなことを言ってくるので、やぶ蛇だ。ちなみに、学部時代に Peter Glassen という人物の論文を翻訳して同人誌に掲載したことがあり、Oxford University Press に Analysis の論文を訳して同人誌に掲載したいと照会したときも、同じようなことを言ってきて拒否された。著作権が失効しているのに、自分たちに翻訳を公表する是非が決められるかのような回答で、こいつらは中世の異端審問の時代から態度がまったく進歩してないんだなと思った。
そんなわけで、いちおうかつての「道草」のような無断翻訳の集積場みたいなサイト(既に「経済学101」というサイトに移行して無断翻訳はなくなったと称しているらしい)を公に非難している立場でもあるから、自分が勝手に翻訳を公開するわけにはいかない。なので、こういう素性の分からない人物の著作物はどうしようもない。