Scribble at 2022-10-27 12:10:10 Last modified: 2022-10-27 12:20:27

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昔の資料を整理していたら出てきた。学部時代に、それぞれ違う大学へ通う高校時代の同級生たちと原稿を持ち寄って作っていた同人誌だ。当サイトで公開している「ヒュームの関係概念」は、この号に掲載した論説であり、僕の卒論ではない。多くの大学では、法学部には卒論という制度がないからだ。でも、卒論に類するものを仕上げるという目標を立てて2年くらいかけて書いたのが「ヒュームの関係概念」であり、関西大学の博士課程前期課程(修士課程)を受験したときに竹尾先生に卒論代わりとして渡したのも、この同人誌だった。発行してから資料のケースに入れたままにしていたせいで、皮肉なことに状態がいい。

同人誌は何回かタイトルを変えて、合計で5冊ほど出した筈である。上記は1992年1月の発行だから、僕が大学3年生(関西の大学だが、「3回生」という言い方には違和感があったので、僕は使わなかった)のときである。表紙には "To the memory of Mr. Ichiro Iwaki" とあり、高校時代の恩師であった岩城一郎先生(京大の修士出身でプラトンを研究していたという。高校での担当は現代社会で、僕は高校時代に3学年とも岩城先生が担任だった)が前年に亡くなったことへ哀悼の意を表してある。それから僕が関西大学の大学院へ進むと、同人誌を出すまでもなく大学院にはそれぞれの大学や院生の団体が発行している紀要があるため、自費出版はしなくなった。

さて、この同人誌は僕が好きで制作・発行して友人たちから投稿を募っていたので、費用は全て僕が出していた。関心があるかどうかはともかく具体的なことを説明すると、僕は直にワープロで原稿を書いていたが、友人たちは手書きである。それらもワープロでデジタル・データにするのだが、入力のコストは僕自身の工数として費用には含めていない(まさか投稿してくれた友人に請求するわけにもいくまい)。それ以外の費用は、この同人誌にも会計報告を記載してあり、以下のとおりであった。なお、この同人誌はB5判である。

・レーザー・プリンターによる出力(小坂印刷、150円 x B4判の見開きで18枚 = 2,700円)

・印刷・製本(アート・ビジネス・システム、770円 x 23部 x 税金1.03 = 16,100円)

合計で18,800円(1部あたり817円)である。大学生が使う金額としては、さほど大きな金額ではないだろう。実際、当時の単価で言えば、僕がワープロのキーパンチャーとして入力代行のアルバイトをして、約2万円と言えば1日か2日で稼げた金額である(当時はA4判のテキスト入力だけで1枚2,000円くらいの売り上げになった。そういう牧歌的な時代も数年だけあったのだ)。

なお、上記に出てくる小坂印刷さんは地下鉄谷町四丁目の駅から出て中央大通りを西へ向かうとあった印刷会社なのだが、既に廃業したのか移転したのか当時の場所にはなくコンビニエンス・ストアと駐車場になっている。仕事で父親に紹介してもらって、レーザー・プリンターで綺麗に出力してもらう出力センターとして利用させてもらっていた。同人誌の出力は仕事と称して出力してもらっていたのだが、お金を払っていることに変わりはないので、特に問題はなかっただろう。それから、アート・ビジネス・システムさんは近畿大学の近くにあった印刷会社であり(検索では見つからなかったので、現在もあるのかどうかは知らない)、大学の帰りに近畿大学の周辺にある古本屋を見て回ったり、あるいは当時は誰でも入れた近畿大学の図書館で Philosophical Studies の最新刊を眺めていた経緯があって、そのあたりにある印刷屋も知っていたため、試しに同人誌の印刷や製本を頼めるか交渉し、安く仕上げるなら中身はコピーにすればよく、厚手の表紙にだけ文字をオフセット印刷すればいいという話にして依頼することになったわけである。当時の母校である大阪経済法科大学で大学のパンフレットに在校生の一人として紹介してもらったときの様子を MarkupDancing のプロフィールで画像として掲載してあるが、輪転機の前で僕と一緒に写っている方がアート・ビジネス・システムの社長さんである。

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