Scribble at 2022-08-25 18:15:59 Last modified: 2022-08-25 18:18:01
正直、僕も "small web" の運動に共感がないわけでもない。何度も書いてて恐縮ながら、関西の広告代理店業界で名前がそれなりに広く知られている時期もあったウェブ・アプリケーションのエンジニアとして言うのは皮肉なことだが、みなさんはオンラインで海賊版の PDF を山ほど集めたり(Library Genesis を使えば生涯を費やしても読み切れない書籍や論文が手に入る)、誰かのウェブ・ページに宇宙の真理が書かれていないかどうかを探して回るくらいなら、手元に10冊ていどの古典的な著作を買い集めて、それから20年ほどそれらを何百回も読み返したり、自分自身で考えてみてはどうだろうか。ウェブなんて道具としてすら、哲学するため、あるいは人として生きる(ましてや誠実かつ善良に生きる)ための必要条件でもなんでもないよ。
本当のところ、まともなレベルの哲学プロパーであれば、高等教育の是非も含めて、いま僕が紹介した過ごし方だけでも当人にとっては〈良い〉成果になると思っている筈だ。もちろん、そういう生活だと君らのようにクズみたいな三流大学の講師にはなれまい(僕は馬鹿が嫌いなので学生の相手をしたくないから、神戸大で博士号をもらっても教員になっていなかった可能性がある)。しかし、哲学するにあたって、それがいったいなんだというのか。ガラクタ同然の本を何冊か書いて、クソみたいな田舎に自分の数十万冊の本を置く書庫を建てる金が儲かったら、それで満足かよ。他人が思想なり哲学を求める意欲とか動機とか経緯とか課題とか心配事など、いろいろな事情を何だと思っているのか。独善はそれ自体が愚かな自己欺瞞でもあるから避けるべきだが、しかし、たかが出版や教育でどうにかなると思っているなら、それこそが度し難い傲慢というものだ。