Scribble at 2022-08-24 09:01:51 Last modified: 2022-08-24 09:02:13
国連はユネスコが発行した "Philosophy Manual: A South-South Perspective" (2014) という奇妙な冊子がある。あいかわらず国連というのは、とんちんかんなことをやるものだ。
これはプロパーでも知らない人がいるのだけど、国連では4月27日を「哲学の日」などと勝手に決めて愚劣なキャンペーンを張っていて、その由来は「紀元前399年にソクラテスが死んだ日」という俗説だという。これだけでも哲学者を名乗っていれば一笑に付して当然だが、一概に無視できないのは、もちろん内外の出版業界がフェアだの「いま読むべきなんとか」と称して在庫整理を目的に色々な駄本を初心な文学少女や哲学少年たちに売りつけようと画策したり、物書きどもがイベントや数々のパフォーマンスを繰り広げて通俗化を推し進める、人類の知の進展にとっては「厄日」とも言えるからだ。
さて、その国連が発行している冊子だが、結局のところアラブや中国も含めて「西洋」以外のアプローチを十把一絡げに "south" などと雑に箒で掃き出してから、そこに gender equality の問題があるかどうかという、ユネスコが大好きで何十年もしがみついている短絡的な人権の基準を押し当てたり(もちろん、不当な理由による差別は乗り越えなくてはならない)、おなじみの珍しく面白い「文化」があるかとか、自分たちでは中立あるいはアジアの視点を名乗りながら、実際には頭のおかしなフランス人がエロアニメを「日本の文化」と称して面白がっているのと同じ構図が維持されている。