Scribble at 2022-07-27 14:01:37 Last modified: unmodified
論説を書くときに酷く無駄な時間を使ってるように感じるのが、人名を正確に記述しようとしてフル・ネームを調べているときだ。もちろん、何らかの理由があってペン・ネームを使う人もいるし、科学者の中には敢えて抹消しないまでもミドル・ネームをことさら言うのは嫌だという感覚があるらしくて、頭文字しか公に書かない人もいる。でも、理数系の雑誌だと昔から無頓着にファースト・ネームをイニシャルだけで押し通しているものもあり、まるで同姓同名での混乱など宇宙に起きないかのような態度を貫いている。
しかし、同姓同名の問題がありえるというだけでなく、隠す理由がないなら名前くらい言えよと常識的に思っているので調べ始めると、非常に面倒くさい。有名な人物ならすぐに検索で分かるが、こう言っては悪いが無名のインドやイスラエルやシンガポールの情報科学者だと調べようがない。所属している大学のサイトじたい、ファカルティを検索する機能もないし、フル・ネームを掲載していなかったりするからだ。もう最近は、いちいち調べるのはやめようかと思っている。学部時代から、ウンベルト・エコの『論文作法』で紹介されている非常に緻密な bibliography のフォーマットを参考にしていたため、たとえば卒論に準じて作成した(僕は法学部出身なので卒論というのがなかった)「ヒュームの関係概念」という論説では、当サイトで公開しているページの文献表をご覧いただくと分かるとおり、ほぼ博士論文のレベルと言っていい詳細な項目を記載している。でも、このレベルで情報科学や論理学の書誌を作っていくのは、データベースがいくらでも整備されているのに、いまだに難しい。