Scribble at 2022-07-07 08:29:23 Last modified: unmodified

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Absurd Trolley Problems (neal.fun)

お馴染み「トロッコ問題」の色々なバリエーションを楽しめる(楽しめる!)サイトが Hacker News で紹介されていた。上記はかなりの数があるバリエーションについて全て回答した結果の画面で、僕は63カウントであった。ちなみに、トロッコに轢かれた中には "sentient robots" と称する何かも含まれているが、"sentient" であると信ずるだけの強い証拠は示されていないため、それは論点先取と見做してカウントからは除外してもらいたいと思っている。

このサイトを公開している人物の意図は分からない。説明もない。単純にこの手の「問題」が状況によっては単純に判断できないことを教えているのかもしれないし、回答するたびに二者択一のどちらを選んだ人がどれだけいたのか回答者の割合が示されるため、個々の設問についてすら単純な回答はないと言いたいのか。なんにしても、当サイトでは繰り返し力説しているように、この手の思考実験は「トロッコ問題」という set-up についてどう回答するべきかが重要なのではなく、このような問題が〈いかに馬鹿げた暇潰しであるか〉を説明するための与件とか効用を議論することが重要である。つまり、皮肉なことに思考実験というものはメタ議論の方が哲学や倫理学として有効なのだ。シミュレーションだって、そうだろう。学術的に価値があるのはシミュレーションの仮説や結果について妥当性を立証するところにあり、シミュレーションそのものは、或ることを選べば或ることが帰結するというだけの話にすぎない。

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