Scribble at 2022-05-21 12:35:13 Last modified: 2022-05-21 12:36:55
さきごろ公表された日本科学哲学会のニューズレター第58号(正しく "news" を「ニューズ」と表記している。日本のマスコミもこのていどは改めたらどうだろうか)では、英語を使うという実務の話が特集されている。なかなか興味深い。また、学会のサイトでニューズレターは全て公開されているため、上記に公開ページをご紹介しておく。
ネイティブでない日本人、僕もその一人だが、そういう人物が英語を哲学研究の実務として使う場合、原著を読むこと、論説を作成すること、海外の同僚と交流すること、海外の出版社やジャーナルの編集者との業務連絡、翻訳業務、それから学会で日本へ来訪した同僚のエスコートや通訳などが考えられる。もちろん僕は博士課程の学生が知りうるていどの実務についてしか経験も知識もないので、プロパーの実情については何も言う資格や知識がないけれど、学生レベルの話はできる。そして、大半の大学院生が実務として英語に携わる機会は、原著を読むことだけに偏ってきたと言えるのだから、寧ろ今回のニューズレターを参考に、院生協議会などが発行している学生の雑誌などへ投稿する習作レベルの論説で英語を使う機会が増えると望ましいのだろう。僕にしても、せいぜい紀要に論説を掲載してもらうときに abstract を書いたり、修士論文の梗概を書いたときに英語を使った経験くらいしかない。
もちろん、いまでは学生やプロパーという立場を公にしてブログやウェブサイトを運営している人も多いし、Twitter など SNS を使っている人も多いわけで、そこで英語の論説を投稿するのは誰でも簡単にできる。ウクライナ国内でロシア兵から爆撃されている状況ですらツイートしている人がいるくらいだ。よって、何も肩ひじを張って「英語の運用にあたって云々」みたいな話を院生協議会や学生の研究室で議論する必要などない。個人が自由にやればいいだけだ。実際、20年以上前ですらアメリカの大学院生と掲示板でやり取りし始めるのは簡単だったし、この程度は既に実行している学生はたくさんいると思う。
それはそうと、日本科学哲学会のサイトって、まだ SSL 使ってないんだな・・・