Scribble at 2022-03-23 08:12:32 Last modified: 2022-04-10 12:16:08
Cambridge Elementsはジャーナルの速報性と学術書の体系性・網羅性を兼備した新しい出版形態で提供される商品です。主に研究者や大学院生を対象とした出版物で、人文科学から自然科学分野に及ぶ主要な研究テーマを幅広く収録しています。(プリント版の刊行もございます。)
このところ Cambridge University Press から公刊される著作物の中に目立つようになってきた "Cambridge Elements" というレーベルだが、紀伊国屋のサイトで簡単な説明を見つけた。要するに SpringerBriefs みたいなものか。ちなみに、本家の Cambridge U.P. のサイトは、こうして書いている朝の8時(つまりロンドンは23時)でも全くアクセスできないほど重い。概してヨーロッパのウェブサイトはアメリカのサイトに比べて異様にレイテンシが長いため、何か特別な事情でもあるのだろう。ということで、まともにアクセスできないことから、URL だけ示しておく。
https://www.cambridge.org/core/what-we-publish/elements
また、図書館に関連するサイトでも紹介されていた(https://current.ndl.go.jp/node/37427)が、「雑誌論文にまとめるには長すぎ、図書(モノグラフ)とするには長すぎる」などと、いかにも校正・推敲していない様子がうかがえるため、参照している URL の他はざっと目を通す程度の価値しかない文章だと思う。なんにせよ、VSI に対抗した少していどの高い内容を扱う(「やつらとは違う!」)シリーズでも始めたのかと思ったら、違うらしい。
そして、幾つかのタイトルは Open Access として出ている。
https://www.cambridge.org/core/elements/philosophy-of-developmental-biology/1FF8C95E7729594AAE863E2B29B16DF6
https://www.cambridge.org/core/elements/philosophy-of-immunology/06F0C341035299674EECF0406E5D8E31
それから、このレーベルの特徴として、"Elements in Decision Theory and Philosophy" のようにシリーズごとでまとめられている。書名だけではシリーズを判断するのは難しいが、それはもともと専門書だろうと論文だろうと同じことだし、読む前に書誌情報や内容を確認せずに高額な書籍を「ジャケ買い」するのは日本人くらいのものだ。シリーズで分かれている理由は、
https://www.cambridge.org/core/what-we-publish/elements/elements-in-decision-theory-and-philosophy
のようにシリーズごとのページを見るとわかるが、責任編集者が指名されているからだろう(このシリーズは Martin Peterson が責任編集者だ)。このページでどれが Open Access なのか分かるといいのだが、それはわざとわからないようにしてあるのかもしれない。Twitter で見つけたが、どのタイトルが Open Access なのか、いちいち調べて紹介するアカウントがあるほどだ。期間限定で Open Access となっている場合もあるから告知用のアカウントがあるのだろうけど、出版形態として最初から Open Access のタイトルもあるはずだ。そんなに無料で読まれて貧乏人が学問へアクセスするのが困るのか。