Scribble at 2021-12-14 16:31:52 Last modified: unmodified
工数を無駄に使うのはよろしくないという事情があって、今期は全く手を付けられなかったのだが、来期(弊社は1月が期首である)はコーポレート・サイトの再設計を進めていきたいと思っている。もちろんプライベートな時間を使って工期に追われることなく、しかし合理的な工数の範囲で一定の成果を上げるようなプランを作る予定だ。
これには、もう3年くらい前から(つまり、現行のコーポレート・サイトができた当初から)制作事業の末席を汚す一人として感じている多くの懸念や疑問が理由となっている。その理由の第一は、情報設計や UI あるいは UX 全般と言ってもいいが、そもそも弊社のような B2B の事業を展開する会社のコーポレート・サイトとしてデザインが明らかにおかしいと思うからだ。そして第二に、ページのコーディングというものは審美的な理由など大して重要ではないものの、やはり一定の原則をもって整理されていてメンテナンスしやすい合理的な設計のもとに実装されていることが望ましい。しかし、現行のサイトは見た目としても乱雑だし、「div厨」とまでは言わないものの、合理的とは思えない構造のネストが多く、メンテナンスが面倒臭い。加えて第三に、一部の要素をテンプレート化しているものの、飽くまでも共通部分を括り出しているにすぎないため、出力する箇所に応じてテンプレートに個別の要素を出力するといった工夫がない。これではローカルで Dreamweaver のテンプレートを使ってサーバへ静的なページを吐き出すのと大して運用上の利点は変わらない。PHP を使っていても、現状では HTML のソースをまるごとインクルードしているだけである。
再設計では、訴えたい情報やアクセスした方が知りたい情報へアクセスしやすくする。こんなことはアクセス解析をしていれば誰でも気づくし、実際にその結果に応じてサイトの設計やページのデザインを修正したり作り直すかどうかだけが重要だ。これまで大手企業や上場企業のコーポレート・サイト構築にも関わってきているが、殆どの事業者でサイト構築やリニューアルに効果がないのは、単純なことだが、ウェブサイトの運用担当という部署や人員がなくて、現実にサイトの設計や UI を改善なんてしないからだ。数年おきに代理店や大手のインテグレータやプロダクションから提案されて、それまでのアクセス解析の結果などまるで考えずに見てくれだけガラッと全て一度に替えてしまう。これでは「情報」を活用しているとは言えない。
業容や業態が著しく変わるわけでもない限り、営利事業者のコーポレート・サイトに求められる情報設計なんてものは、原則や理屈を知っていて適格に仕様なり納品物へ落とし込むスキルと知識があれば、10年ていどのあいだに大きく変える必要なんてないのだ。2000年くらいからこのかた、頻繁にコーポレート・サイトのリニューアルを繰り返している企業というのは、はっきり言えば情報アーキテクチャの数学的な基本とかプロダクト・デザイン設計の原則あるいは公に掲示する情報にかかわる法律など、プロの制作者であれば知っていて当たり前の常識を理解していない無能の食い物にされているだけである。