Scribble at 2021-10-11 14:11:55 Last modified: 2021-10-29 23:23:46

ティモシー・ウィリアムスンの The Philosophy of Philosophy は第2版が出たらしい。主に 9.1~9.4 を初版以降の経緯、とりわけ COVID-19 の感染状況に照らして手を入れたり、もちろん初版に加えられたた批評にも応える内容だという。その第2版の序文だけ、とある経緯で手短に眺めたのだけれど、序文だけでも分量が多い(書籍全体では700ページに迫る。初版の倍だ)。

それにしても、アマゾンで買うと初版のペーパーバックが4,400円で、第2版はハードバックしか出ておらず、1万円近い。いま読むなら内容としては第2版が興味深いわけだが、ウィリアムスンが展開している議論の主旨だけを知りたいのであれば、恐らくは彼は第2版を出すに及んでも変える必要は感じていないと思うので、初版でもよいのだろう。輸入業者のマージンを加味した昔の値段に比べたらマシだと思うが(たとえばマイクル・トゥーリーによる Causation: A Realist Approach, Oxford University Press だと、約350ページのハードバックで1989年に京都の至成堂で買ったときは11,050円だった)、いまや洋書は円安なども加わって急激に値段が上がっている。よって、本書の主旨だけを知りたいなら、無理をして第2版を買う必要はないはずだ。

でも、僕が読むなら、恐らくは暫く待ってから第2版をペーパーバックで買うのかもしれない。こういうメタ哲学の話題は、国内の通俗物書きのお歴々が(もちろん内容も)薄っぺらい本を書き殴ってウブな思想おたくを相手に売るのにはいいが、700ページにもなる本を翻訳までして、恐らくは1冊1万円を超えるような値段で出版などできまい。イリイチのエピゴーネンが書くような本とはわけが違う。

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