Scribble at 2021-09-21 14:57:20 Last modified: 2021-09-21 15:03:38

僕が7月の末からビジネス書を色々と読んでいる話は、MD の方を読んでいてご存知の方もいると思う。そして、いまのところ何冊かは途中で読むのを耐えられなくなって止めていることもご承知だろう。このたび、図書館で借りてきた『U理論』(第2版、2018)も、そういう読むに耐え難い本の一冊になる可能性が高い。それなりに売れているらしく、大型の書店ではたいていビジネス書のコーナーに置いてあるし、これも『ティール組織』のように虎の巻みたいな概略本まで販売されているのだが、実際に手にとって中身をざっと眺めると憂鬱になってくる。(図書館で少し読んで判断してもよかったのだが、なにせ図書館に限っていまだに咳き込んでる高齢者や幼児がたくさんいたりするので、可能な限り早く出たかった。)

それにしても、こんな素人哲学の議論を延々と何百ページも読まされるのか。

ハイデガーだ、フッサールだ、アリストテレスだと、高校の倫理の教科書みたいに次々と哲学者の名前や雑な解説が並び立てられる。そして、色々なパターンで「U」の字に並べられたあれこれのキーワードを使って、自己啓発なのか組織論なのか、あるいはプロジェクト・マネジメントなのか、内容がいまいち判然としない議論が続く。いまだに「哲学者」の name-dropping で本が書けるとは、アメリカの出版業界も無能や crank に甘いんだなと嘆息させられる。アマゾンの Direct Publishing みたいに、著者が自分自身で電子書籍を「出版」できるというなら、バカでも本を出せるから気にならないが、最低でも家族や友達が経営してるわけでもない事業者が、このていどのアマチュア哲学者の御託を世に送るなんて。出版社を名乗る資格はないな。ただの「版下屋」ではないのか。

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