Scribble at 2021-08-20 00:59:00 Last modified: 2021-08-23 00:39:04
ビジネス用語、いや実情としては狭い業界の隠語とか、場合によっては自分の会社でしか通用しない言葉遣いや略語を、対外的もしくは一般の顧客に向かって使う人がいる。何かの営業とか、「情報交換」と称する訪問を受けて会議室で話を聞いているときにも、だいたい3社に1社くらいの割合で、何のことを言っているのかまるで分からない言葉を使われて困惑させられることがある。しかも、サービス内容とか契約条件について喋っているときに使われると騙されている気分になるので、必ず相手に「『●●』となると、弊社の場合はどうなりますか?」とか、「『●●』には、どういう特徴がありますか?」などと、その言葉を知っていながら内容を弊社の事情に応じて具体的に当てはめて説明してもらう体裁を作って、その「●●」が何なのかを推定することにしている。もちろん、相手の説明が相変わらず雲を掴むような話で具体性がないときは、あまり遠回しに同じ話をしても時間の無駄だから、「●●」とは結局、御社ではどういう意味になるんでしょうかとストレートに聞いている。
しかし、誰も彼もがこういう応対をするとは限らない。たとえば、営業用語として「架電」という言葉があるが、「かでん」と言うだけではたいていの人には通じない。特に知り合いでもない人間に電話する機会が殆どない学生や専業主婦や高齢者、それどころか企業人でも管理系の部署にいる人達だって、分からない人がいるだろう。他にも、ここ5年くらいのあいだに海外からの観光客を積極的に受け入れる施策なりビジネスが始まると色々な業界に広まった言葉として、「インバウンド」なるビジネス用語がある。これは要するに外国から来日する人々であり、本来は必ずしも観光客だけを意味しているわけではないが、或る業界では殆ど観光客の意味に使われているので、他の業界の人と話をするときに微妙なニュアンスのズレが起きる。それに加えて、昨今は営業用語としても使われるようになっている。つまり、「インバウンド」とはサポート係や営業担当者に顧客の方から電話がかかってくることを指している。したがって、商品を販売した顧客からの問い合わせや苦情に対応するヘルプデスクなどが「インバウンド」の部署だと言われたりする。その逆に、こちらから見込み客やサポートする相手に「架電」することを「アウトバウンド」と言っている。もちろん和製英語であり、アメリカ人にはビジネス用語として使っても通じない。