Scribble at 2021-08-17 17:10:59 Last modified: 2021-08-17 17:14:16

僕も同じような意味合いの議論をすることがあるのだけれど、僕の給料や小遣いであれば6,000円の学術研究書は買える。そして、出社したときにインデアンカレーで食事するのを我慢すれば、他の本も少しは買えるだろう。やろうと思えばできる。それゆえ、このところ値段が明らかに上がってきた書籍代について文句を言うのは不健全だと言う出版関係者とか物書きがいるんだよね。読みたい本なら、頑張って金を貯めたら日本に住んでいる限りは貧乏人でも俺たちの作った本を買える筈だというのである。

はっきり言わせてもらえば、たいへん傲慢な話だと思う。そいつらが大企業の御曹司として暇潰しに東大の大学院を出て MIT の博士号を取ったような連中でもいいし、FX か何かで25歳までに100億円の資産を確保した廃ゲーム・プレイヤーでもいいし、「メンタリスト」を自称して海外の論文の abstract を読むだけで心理学の何事かを語ってるようなクズでもいいわけだが、ものの値段を "net value (price)" として評価するのに自分自身の資産がどれほど潤沢にあるかなんて関係ない。人として、個人として切実な興味や悩みなど何もないくせに、ただの道楽で哲学や心理学を大学で教えている、おまえたちのように外国語の本を読むしか能がないクズどもが何を言おうと、値段が上がっているものは、どこから調べても上がっているのだ。

問題は、物価の上昇率や大半の国民の所得の変動とは関係ないような割合で本の値段が急激に上がっているという事実について、理解できないという点にある。これまで日本の出版社が中国人やベトナム人を印刷所で奴隷として使役してきたのをやめたら値段が上がりましたというなら、それでいい。しかし、そういうわけでもないなら、なんでこの10年ほどのあいだに本の値段が上がっているのか(たとえば O'Reilly のプログラミングの本なんかは、10年前と比較して2倍くらいに上がっている)を説明してもらわなければ、およそ納得はできない。それは、僕らが貧乏だろうと金持ちだろうと関係がないのである。

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