Scribble at 2021-07-12 07:58:14 Last modified: unmodified

前にも述べたとおり、僕は「科学哲学」という表現にはいささか違和感を覚える。そこで結合されている「科学」それから「哲学」という言葉に、それぞれ誤解の生じる(素人どころかプロパーですら)おそれがあるし、それらの結びつき方にも誤解の生じるおそれがあるからだ。平たく言うと、そもそも哲学にかかわったり携わろうとしている者にとって、何事かについての〈正しい〉思索なり〈適切な〉観点や論点を据えて議論するにあたって自然科学も人文学もヘチマもない。そういう、しょせんは人が社会や歴史や地理や経済といった事情なり脈絡において設定しただけのフレームしか選択肢がないと思いこむ時点で、そこには〈哲学している〉と思い込んでいる人の妄想があるにすぎない。僕は当サイトで、哲学に純粋も不純ないとか、あるいは正常も異常もないと書いているけれど、それは単なる相対主義を述べているわけではなく、そもそも〈哲学している〉と思い込んでいる人々の妄想は論外だからだ。

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