Scribble at 2021-06-08 22:55:36 Last modified: unmodified
以前にも言及したような気がするのだが、改めて書いておこう。この訳書は Oxford U.P. の "Very Short Introduction" (VSI) という叢書の一冊が元になっているのだが、丸善出版は既に VSI を「サイエンス・パレット」という叢書で翻訳しているのに、どういうわけか本書だけを単独の翻訳として出している。もちろん VSI を知っていれば、表紙にも VSI の一冊であることが書かれているから VSI の一冊を翻訳したことが簡単に分かるけれど、VSI を知らない人にとっては翻訳書の一冊にすぎない。もちろん、VSI を知らない人からすれば、こういう状況が奇妙だという認識もないので、別どうでもいいことではあろう。
なお、少し調べてみると「サイエンス・パレット」は VSI からの翻訳だけではなく、オリジナルの本も加えているのが面白い。編集方針として VSI で採用されたであろう事項を Oxford U.P. から聞いて踏襲しているのかどうかは分からないが、逆に日本からフィードバックされて VSI でも同じテーマが採用されるようなことがあれば面白いのに、そういう事例はあったのだろうか。