Scribble at 2021-06-05 12:49:05 Last modified: 2021-06-09 22:38:45

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MD でも書いたとおり、ただいま保管してある DVD-R からファイルをパソコンへいったん読み取ってから Blu-Ray に焼き直すという作業を進めている。この二日間で30枚ていどの DVD-R を読み出したのだが、同じ 4.7 GB のメディアでも、中に入っているファイル数が多いディスクはファイルの読み取りに酷く時間がかかって、しかも頻繁に読み取りのエラーが起きる。2007年とか2008年に焼いたディスクだから、もう15年くらい経過するものは自然と劣化してしまうのだろう。ディスク全体が読めなくなる前に、他のメディアに記録し直すという今回の作業は、恐らく15年くらい前に作成したディスクの保全的な処置としては最後のチャンスと言ってもいいのかもしれない。なお、DVD-R にバックアップを取っていたのは、ポータブルの Blu-Ray ドライブを日本橋のジャンク屋で5,000円で買ってきた(それでもパイオニア製のドライブなので、安定して動く)4年くらい前までの話だ。

いま、少しずつ DVD-R からファイルをパソコンへ読み出しているのだが、そろそろ2015年あたりまでやってきたので、例の「Springer 祭り」で大量にダウンロードしたファイルを読み出すことになる。あれは現在も顛末が不明で、Twitter で検索しても殆ど日本人のツイートしかヒットしない。また、上記のとおり理数系の書籍を紹介するブログで知られる人物も他人のツイートを取り上げるくらいしかないと書いている。もちろん、こんなサービス全体の開放をキャンペーンでもないのにひっそりと実行するマーケティング上の妥当な理由などないだろう。よって、コンテンツにアクセスするための認証プロセスに関わる致命的なセキュリティ・インシデントが発生していたと想定するのが当然だろうとは思う。とは言え、運営する側にしてみれば、わざわざ「セキュリティ事故で全てのコンテンツに無料でアクセスできます」などと公表すれば、自分で大量のアクセスを呼び込んでいるようなものだ。よって、一部が騒ぐだけにしておけば被害は最小限に抑えられると考えたのかもしれない。

少し調べてみると、2015年12月30日になって、ようやく Hacker News で大きな話題となった(https://news.ycombinator.com/item?id=10810271)。実は https://news.ycombinator.com/item?id=10800881 で二日前にも話題となっていたのだが、そのときは無料でアクセスできる規模について誰も分かっていなかったらしい。そして、大きな話題となった際に Springer の関係者に連絡を取ったという人物が投稿したコメントによると、"I reached out to the folks at Springer and asked them whether the availability of 57,000 titles for free download had been some kind of accident. > Thank you for reaching out to us. From time to time our titles may become available to the public for legal download. There is no guarantee that titles available will remain available permanently. The only titles that will remain available are titles marked as Open Access." ということらしい。ただ、この関係者の返事では書籍だけが問題になっているけれど、もちろん僕が実際にダウンロードできたように、「祭」の最中は書籍だけでなく雑誌論文もダウンロードできたわけである。それこそ、ERKENNTNIS, Synthese といった、個人ではとても気軽に購読できないコストの雑誌に掲載された論文が2004年あたりまで全てダウンロードできたのだ。恐らく、"57,000" というのは雑誌論文を含めた数ではないのだろう。

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