Scribble at 2021-05-02 21:21:43 Last modified: 2021-05-14 12:31:58

僕は著作物について著作権を設定すること自体には反対しないし、とりわけ商業的な経路で出版されている著作物に対価を求めるのは当然のことだと思う。それらは商品なのだから、当たり前だ。「情報」などと一括にして、暇潰しに公開されている素人の殴り書きを無料で読めるからといって、学術研究書や商業的な著作物まで無料で提供しろなどとは、権利でもなんでもない。単なるヤクザ(同然の思考しかできない)者の言いがかりであろう。よって、そのように安易なリバタリアンどもや安っぽい「オープン思想」に同調して勝手に人の著作を翻訳し公表して社会貢献を気取っている「経済学101」(https://econ101.jp/)とか「道草」(http://econdays.net/)といった犯罪集団は、とっとと著作権法違反で検挙するべきである(もちろん行政はこんなサイトくらい昔から捕捉しているに決まっている)。

だが、著作物の権利を派生的な権利も含めて過度に保持したり利用しようとする者も、知識の普及という推奨するべき理想からすれば反動的として断罪しうる。その典型が、僕は JSTOR や Project Muse だと思っている。既に著作権が切れた論文を山ほど抱えていて、確かに archive.org などにコレクションとしてアップロードはしているが、それらの著作権について何も記載しておらず、転載していいのか、翻訳を自由に公開してもいいのか、彼らのサイトでは全く findability がない。どこを見たらよいのか、まるで迷路のようになっているし、たぶん彼らのサイトの中ではホットリンクでしか行けない〈孤立リソース〉としてウェブ・ページが置かれているのだろう。かつて、JSTOR にアーカイブされている論文を他の場所で公開していたアーロン・スワーツという有名な技術者が、JSTOR/MIT から多額の賠償金を請求されたり罪に問われた末に自ら命を絶つという出来事もあった。そういうことがあってか、少しは情報の共有という(繰り返すが違法行為によって実現する必要はない)取り組みを見せてはいるが、根本的に何を情報として共有すればいいかをわかっていない。PDF を archive.org へアップロードしさえすればいいとでも思っているらしい。

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