Scribble at 2021-03-10 00:11:36 Last modified: 2021-03-10 00:23:51

MD ではウェブ制作の実務や事業について書くのはやめた。とは言え、何かしら専門としている立場からの意見や現状については触れておきたい。こちらをご覧の方は、別にプログラマやウェブ・デザイナーやディレクターを志望したり IT ベンチャーを起業しようなんて人はいないだろうから、参考程度までにご覧いただければよいはずである。(ちなみに、20年くらいの経験から謹んで申し上げるが、大学というか教育機関の案件は予算から言っても面倒臭さから言っても企画や構想の愚かさや幼稚さから言っても、「クソ」の一言だ。素人の分際で情報設計やクリエーティブやマーケティングやシステム開発やユーザビリティについて、いきなり仕様を言うな。素人は、身の程というものを弁えて、何のために何がしたいかという与件や要望を言えばいいのだ。)

某社の施設を紹介するサイトを WordPress で組んだときに、そこで提供されるサービスを色々と眺めていた。余裕ができたら何かの縁だと思って利用させてもらうかなと思っていたのだけれど、制作だけで予算が尽きてしまったらしく、広告代理店を経由した予算感でのメンテナンス費用まで捻出するのは難しいとのことで、このたびお付き合いが終わることとなった。「コロナ禍」と呼ばれる、よく営業が「アゲインスト」だの「ビハインド」だのと奇妙な和製英単語で言う時勢につき、どこも中長期的な観点で投資に取り組む余裕がないらしい。

前置きの、大学案件に困惑させられる話の方が長くなった気がするが、まぁそういうことだ。それにしても、ただでさえ最近は上場企業や大企業でもサイトを作るのに WordPress で安くというご指定が多く、実際のところウェブの制作案件もテレビ番組や印刷媒体の制作と同じく、予算の大半はリスティング広告への出稿費や芸能プロダクションに吸い込まれていき、制作の実務に割り振られる金額は僅かである。しかも、その予算は昔から僕が非難しているように、ウェブ・コンテンツの場合は「運用」とかライフサイクルという概念があるにも関わらず、印刷媒体のように作っておしまいという感覚で予算を使い切ってしまうクライアントが大多数を占めている。もちろん、彼らにしてみれば運営費用が必要となれば、来期の予算に財務から割り当ててもらって使えばよいという算段らしいが、逆に言えば今回のような時勢の変化で予算の配分が少なくなると、同じ作業を 1/10 の費用でやれだの、それができないとなるとクラウド・ワーカーと呼ばれる〈ヴァーチャル奴隷〉や〈分散奴隷〉の元締めみたいな連中に管理を移譲すると言うわけである。もちろん、その後のサイトのことなど知ったことではないし、例外なく移譲した後は1年も経たずにコンテンツが縮小したりサイトが閉鎖されたり、あるいは5年ほど時計が巻き戻ったようなサイトへ変わり果てるのが定番の成り行きというものだ。もちろん、金さえかけたらまともなレベルのコンテンツを維持できるものでもないし、KPI を間違って設定しているサイトなら消えてなくなる方が事業継続のためでもあるが、そういう話とは別に、ただただデタラメな企画とデタラメな予算配分とデタラメな運用があるだけだ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


共有ボタンは廃止しました。他人へシェアしてる暇があったら、ここで読んだあなたが成果を出すべきです。