Scribble at 2021-01-13 09:46:24 Last modified: 2021-01-16 09:26:17

アマゾンで Springer の本を物色していると、Peter van Inwagen についての論集とかも安く販売されている。彼の議論は一部で philosophy of causation とも関係あるから関心をもっているものの、この論集は主に freedom of will などと彼の専門である宗教哲学との関連だけを扱っているので、安くてもわざわざ買う気にはなれない。いまなら2,000円以下で手に入るから、興味がある方は "springer peter van inwagen" などと検索してみるといいだろう。1冊限定の価格だろうから、早いもの勝ちだが。

さて、他にも Bernd-Olaf Küppers という物理学者(あるいは哲学者とも紹介される)の著書も(もともとドイツ語の著作を英語へ翻訳して)出ているようだ。ご丁寧に日本語で解説文も掲載されているので、試しに調べてみたのだが、ドイツ語版の Wikipedia ですら物理学者としての業績がはっきりしない人物である。まぁ、そんなことを言い出せばカール・ヴァイツゼッカーだって原子核物理での「ベーテ=ヴァイツゼッカーの公式」が知られているくらいなのだが。ともあれ、こういう隠れた人材を〈発掘〉してはプロモートするのも出版社やプロパーの活動(別に責任とも権利とも才能とも思えないので、最も中立的で無味乾燥な言い方をしておく)であろうから、こういうことも活発に色々な人がやるのが好ましいのだろう。たとえば、ソヴィエト時代の科学哲学とか、アフリカに有能な科学哲学者がいないかどうかとか、そういうテーマに取り組んで調査している人がいてもいいわけだし。もちろん、そういうテーマをもつだけで何かを語れるものではないから、これは明らかに一つのコミットメントだ(僕がよく使う表現なのだが、日本語にしてしまうとミシマ的な軟弱右翼っぽい〈覚悟〉みたいなニュアンスが出るので、わざとビジネスライクな外来語のままにしている)。

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