Scribble at 2020-11-27 10:47:45 Last modified: 2020-11-27 15:16:09
改めて「革命」という言葉について展開すると、革命とはそういう言葉を使っている当人の基準で評価された結果のことである。したがって、たとえば「新石器革命」という言葉があるけれど、農耕や牧畜を始めてから定住するようになったと言っても、彼らが数学を出来ないままでは、数学史の観点では「革命」とは言えないだろう。もちろん、そういうことができるようになった末に、数学ができるまでに人類は発展してきたという理由で、数学史の観点でも数学の前史における「革命」だと言いうるかもしれないが、それは端的に言えば結果論というものである。定住生活するようになっても数学と言えるような知識の体系をもっていない未開の部族は現代でも世界中にあるわけだし、構造主義を奉じる文化人類学者が彼らの知恵にどういう暗黙の規則性を見出そうと、それは現在のわれわれが数学として理解していることがらとは異なる。