Scribble at 2020-08-05 16:14:02 Last modified: 2020-08-05 16:15:20

講談社ブルーバックス @bluebacks_pub

【歴代ブルーバックス重版数ランキング! 後編】

こちらもお待たせしました!6~10位の発表です!

6位 マックスウェルの悪魔 71刷/都筑卓司

7位 水とはなにか 60刷/上平恒

8位 不確定性原理 58刷/都筑卓司

9位 新しい科学論 52刷/村上陽一郎

10位 記憶力を強くする 51刷/池谷裕二

https://twitter.com/bluebacks_pub/status/1290850102190338048

いまだに村上陽一郎氏の『新しい科学論』が売れているのは大したものだが、なんでいまだにこれが読まれているのかを社会科学として調べることも大切だろうと思う。

自然科学のプロパーや自然科学ファンの多くが、いまだにこのレベルの蘊蓄で「科学論」なるもの(僕はこの表現を使わない。いかにもジャーナリズムや社会科学っぽい響きがあるからだ)を理解する出発点として事足れりと教え込まれたり考えたりして、哲学者はこんな雑な議論をしているのだと科学哲学や STS などにむき出しの敵愾心を抱いたり、あるいは科学哲学がやってることなんてこの程度のことだと、相変わらずの理系 vs. 文系の差別感情をむき出しにするといった、社会人として未熟な連中の安心装置として自然科学系のコミュニティや出版業界に敢えて据え置かれている可能性もある。実際、自然科学系の出版社に限って精密な科学哲学の研究書や、或る程度は正確かつ詳細に書かれた一般向けの科学哲学の本を出版しない傾向があって、つまるところ《そういう本は文系の出版社が出すもの》だという、都内の業界で不文律のようなものがあるのだろう(実際、版権を取得するにも牽制が入ったりするのかもしれない)。たとえば、Michael Redhead の翻訳なんて、別にみすず書房から出る必然性なんかないわけで、理数系の出版社から出ても物理学のプロパーが読むに堪える内容だろう。

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