Scribble at 2020-06-22 16:58:48 Last modified: 2020-06-22 17:10:18

なんだか、『現代思想』は NHK みたいになってきたな。流行が終息して1年ほどすると特集記事を組むのか。ああ、わからない人もいるから言っておくと、『現代思想』で圏論の特集をするらしい。まぁ一部で威勢のいい発言はあったけど、どこの大学で何してるのかわからなかった人も文章を寄せているようだし、この手の青学生や慶応生のナンパツールを手に取る暇はなくなってきたものの、暇潰しに手を伸ばすくらい余裕があれば一読してみよう。

簡単に概括すれば、システム開発の分野では(少なくとも日本では)何の成果もなかったと断言していいだろう。数学コンプレックスの強いプログラマ諸兄がインスタ映えする教科書のスクリーンショットを SNS に挙げては、初歩的な勉強会(初歩的な勉強会を超えるものを見た試しがないのだが)を開催するのなんのと花火を打ち上げるだけで、応用事例が『情報処理』のような雑誌にすら出てこない(「企業で開発している人間は公表できないからだ」などと、レベルの低い勉強会のお知らせだけバラまいている方が恥ずかしいという事実にすら気づかないのが、国内の標準的な開発者やプロパーなのだろうか)。

哲学ではどうだったかというと、確かに現象学と数学、あるいはおフランス思想と数学という、お馴染みの組み合わせはいくつか著作として世に出てきた。そして、それだけだった。なので、それでは勢いが足りないのだろう。このようなアプローチが大好きな青土社がようやく出てきて、またぞろ新手の商品を並べようかという姿勢が見て取れる。もちろん、岸君が圏論について何か書くとは思わないが、他に何か書きそうな社会学者は青土社の手駒にはいるわけで、そのうち『圏論の社会哲学』といった本が登場することだろう。

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