Scribble at 2020-05-07 15:28:57 Last modified: unmodified
僕も、脳を機械的な比喩で説明しようとすることは当然ながら論点先取だと思う(そういう人の多くが、"computation" とはまさに目の前のコンピュータの動作だと思い込んでいるような、情報科学の素人である)。そして、当サイトでも強調しているように、こういう雑な比喩で手軽に説明できたと思い込む安易な思考の自己欺瞞が、分析哲学と呼ばれるムーブメントが停滞している一つの原因だと思うんだよね。これまで、そういうガラクタで遊んできた人々は楽しかったのだろうけど、そういう概念的なオモチャで遊ぶためのルールを、それこそ命題論理からくだらないクリティカル・シンキングの揚げ足取りまで覚えさせられる学生の境遇を真剣に考えた哲学教員はどれほどいるのだろう。そういう概念としても哲学としても安っぽい比喩とか set-up をめぐって、世界中の哲学者(中には科学哲学者すら巻き込まれているが、あまり党派的なことは言うまい)が時間と労力、いやそれだけでなく実質的には行政からの助成金も無駄に浪費してきたと言わざるを得ない。