Scribble at 2020-05-01 14:10:50 Last modified: unmodified

Website in Honour of Mary Hesse

直接の指導教官ではないものの、メアリー・ヘッセの見解について学位論文を書いていたときに彼女からインタビューに応じてもらったり色々と学恩を受けたとのことで、サイトを作って公開しているそうな。他にも、ファイヤアーベントのサイトを公開している。ただ、彼自身がヘッセについてどういう理解とか意見をもっているのかは、このサイトではわからない。

僕は、メアリー・ヘッセについては、"The Structure of Scientific Inference" (1974) という著作を所蔵している。いかにも古典的な論理的経験主義の著作というタイトルだが、中身は論文集であり、「モデル」についての論考も収められている。僕が知る限り、彼女の著作から邦訳した書籍として『科学・モデル・アナロジー』(高田紀代志/訳)と『知の革命と再構成』(村上陽一郎/訳)があって、これらも一読したい。もちろん、当サイトで何度も書いているように、通俗本に描かれている安易なイラストや図表の類から、いわゆる分析哲学者が好む《哲学的なおもちゃ》の類を、単なる言葉の綾として軽々しく導入したり通俗本に書き写すような手合いたちを批評するためである。そして、三中さんらのようなアプローチにも学ぶべきことが多いということくらいは誰でもわかるように、情報アーキテクチャや図像学や図学、あるいは測量学まで考慮して、図案化された概念の理解というものをまともな研究テーマとして扱えるようにしたいという願望くらいはもっている。もちろん、誰かが同じようなことを実行して論文を書いてもらっても全く構わないし、寧ろアマチュアが勝手にやっているよりも望ましいとすら思うのだが、日本ではどちらかと言えば哲学よりも具体的なパフォーマンスとして、坂本龍一と分析哲学音頭でも作ってはどうかとか、あるいは竹書房の漫画家と一緒に「分析エロ漫画」を提案するとか、そういうノリの方が好まれるのかもしれない。

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