Scribble at 2020-04-19 22:33:06 Last modified: 2020-04-19 22:35:48

このところ、Twitter ではやたらと読書を勧める人が増えた。出版社のアカウントが些末な話題や時勢に乗って自社の出版物とか著者について語るのはいいとして、研究者や教員が、みんな自宅にいる機会が増えたから読書をしようと語るのは、はっきり言えば不見識にもほどがある。自宅にいなくてはいけないという人が大半を占めていて、散歩にしろジョギングにしろ、あるいは買い物へ行ったり郵便物を取りに行くだけでも、何かしら言い分を作って外へ出たいと窮屈な思いをしている人の方が多いだろう。そもそも、自宅にいるからといって読書する暇があるとか、《読書くらいしかやることがない》なんていう人は、せいぜい生徒・学生くらいのものだろう。勤め人は当然だがリモート・ワークをしているわけで、別に読書する暇など1秒も増えていない。それどころか、自宅にいるせいで誰彼からチャットやメールや電話があって、実質的に会社の人間とかかわりをもつ時間は確実に増えているだろう。そして、是非は別として、もともと自宅にいる時間が長い専業主婦とか自営業者の人たちは、却って肉親の大半が自宅にいるせいで世話をする面倒が増えている筈だ。何がベルクソンを読んで目から鱗が落ちただ、スノッブどもが。

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