Scribble at 2020-04-08 11:39:21 Last modified: unmodified

幾つかの報道とか Twitter で取り上げられている発言やオンラインの記事を見ていると、薬理・医学関係の研究者や看護師・医師の多くは、やはり公衆衛生とか疫学とか医療統計学といった分野についての素養を欠いた人が意外に多く、やはり目の前の《切った貼った》にしか関心も知識もないという人が「医師として」とか「看護の現場から」と称して、デタラメなことを言っている。そして、困ったことに医療関係者どうしでの批評が足りないために、一部の発言を見ているだけの、それこそ「クラスター」と呼ぶべき馬鹿の集団が色々なところに出てきているようだ。

もちろん、科学哲学者だからといって、彼らよりも本質的なことを理解しているとか、物事をもっと俯瞰して公平かつ正確に理解できるなどと言うつもりは全くない。僕らも専門的な知識を欠いている個々の国民であることに変わりはないし、生き物としても東大教授であれノベール賞を受けているのであれ、しょせんは 100m を3秒で走れるわけもなく、円周率を100億桁記憶することなどできはしない存在だ。そして、得てして馬鹿な哲学プロパーが言うような、専門的な知識がなくても《素人ゆえの視点》があるなどと、東京芸人の逆張りネタのようなことを言っているだけでは何の役にも立たないのも事実であるし、ましてや科学哲学をやっているからといって、何か特権的に客観性や公平さを担保できる理屈や観点を持っていたり、あるいは大学の研究室で北斗神拳のように指導教官から一子相伝で授かっているわけでもないのである。

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