2018年09月27日 に初出の投稿

Last modified: 2018-09-27 21:37:19

本書を読んで非常におもしろかったのは、論理実証主義とマルクス主義の微妙な関係だ。現在において両者の関係が注目されることは少ないが、実際には両者は、批判もするが時には協力するような関係にあったことがわかる。

分析哲学の黒歴史: George A. Reisch『冷戦は科学哲学をどう変えたか』

ようやくこの手の話題が国内でも酒場ではなく公の場に出てきたのは喜ばしい。科学社会学ならぬ「科学哲学社会学」があってもいいわけなので、こういうメタレベルのテーマはどんどん取り上げられることを期待したいのだが、ソフトだろうとハードだろうと科学哲学の研究者の数からして、専門にやる人がどれくらい出てくるのかは、実際のところアメリカでも未知数のままだ。

しかし、最近は科学哲学はともかく分析哲学のプロパーはニコラス・レッシャーが弁証法的唯物論の本を書いていたことすらご存じないようなので、科学哲学とマルクス主義、あるいは科学哲学と RAND 研究所といったテーマについては、いささかアメリカの政治史や社会思想史、そして論理実証主義と分析哲学がアメリカの大学を席巻していく小文字の政治や学内政治についての、殆ど日本では分からないような人間関係についての情報が必要だろうから、それなりに別のハードルを越えないといけなくなるのだろう。

あと、僕はまだ全く手をつけていないのだが、南部アメリカと分析哲学の「無関係に見える関係」をこそテーマにできないものかと思っているのだけれど、これもこれで難しい。特に、黒人の歴史も加味して研究したり調べるとなると、格段に難しいと思う。こう言っては悪いが、アメリカ人ですら殆どの科学哲学プロパーには難しすぎて無理なテーマだと思う。

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