Scribble at 2017-10-26 16:32:11 Last modified: unmodified

David Benatar の「反出生主義」いや、彼の場合はそもそも人類が早く滅亡した方がいいという主張なので、更にラディカルではある。ともあれ、この人物について少し調べている。レクチャーの動画がないかと思って探してみたが、インタビューすら殆どない。どうやら、あまりにも過激な主張なので表に出るのを控えているか、あるいはカルト信者に付け狙われているのかもしれない。もちろん、こういう人物が人類を破滅させるような行動を起こすのは止めるべきだ。三島のように勝手に死ぬことも、周りへ与える影響を思うと迷惑千判である。だが、思想としては傾聴に値すると言っていい。寧ろ、特に日本の哲学プロパーのような似非相対主義か表面的な達観を気取る優柔不断さよりも学ぶべき点が多いと思う。

ただ、彼は veganism も支持しているらしく、僕はとりわけ ethical veganism は首尾一貫しないと思っているので感心しない。これが首尾一貫しない理由は明白であって、彼らが「動物」だけを特別視する根拠は単なる偏見にすぎないからだ。生きとし生けるものを大切だと思うなら、どうして植物や野菜は食べてよいのか。"ethical" などと哲学か思想の一種であるかのようにプレゼンテーションするなら、少なくとも体系として首尾一貫していて明解な根拠をもつ価値観を提示しなくてはならない。イルカや柴犬が可愛いというだけで野菜を食べているなら、トマトやサボテンを愛でる人からすれば、トマトを食う彼らは虐殺者である。

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