Scribble at 2026-03-19 17:35:34 Last modified: unmodified
[Gemini による要約] 著者は、昨今のスタートアップ論客たちが、成功した企業の事例を強引に自分たちの持論に当てはめ、状況が変われば以前とは正反対のことを平然と言い出す現状を指摘します。例えば、ある時は「多額の資金調達をして市場を制圧せよ」と説きながら、景気が悪くなると「少人数で効率的に運営すべきだ」と主張を変えるような無節操さが、起業家たちを混乱させていると説いています。
こうした言説の多くは、客観的なデータや普遍的な真理に基づいているのではなく、その時々の市場のムードや、単に結果論から逆算して「正解」を捏造しているに過ぎません。成功の要因は実際には運やタイミング、複雑な文脈が絡み合っているものですが、論客たちはそれを単純化された「教訓」としてパッケージ化し、あたかも再現性があるかのように語る傾向があります。
結論としてこの記事は、外部の「専門家」や論客による、一貫性を欠いた流行り廃りのアドバイスに盲従することの危うさを警告しています。起業家にとって本当に必要なのは、自分たちが置かれた固有の状況を直視し、表面的なノイズに惑わされずに自らの判断で意思決定を下す姿勢であると強調しています。
当サイトでは昔から何度も述べているように、経営学とかビジネス書というのは一種の「おとぎ話全集」であって、学問を名乗る資格があるとしてもきわめて未熟な段階にあると言ってよい。ハーヴァードにどれほどの資金が集まっていて、どれほど「おりこうさん」が集まっていようと、その手のおりこうさんたちに厳格で冷徹な学術研究ができる保証は、実はないのである。それは、そろばんのチャンピオンが数学者になれないとか、東大クイズ王などと自称する連中の殆どが東大の修士号すらもっていないのと同じことだ。
何年か前に70冊ていどのビジネス書を3か月くらいで渉猟した末の結論として、ハーヴァードの教授などであるから全くの馬鹿でもあるまいし、もちろん学ぶべきことはいくつもあった。しかし、それらの多くは皮肉なことに日本式の精神論まがいのものだったり、あるいは彼らの言う通りに実行できる生活スタイルや資金がないと始まらないという条件の提案なども多い。繰り返すが、アメリカでメンターや経営コンサルタントや経営学をやっている人々の多くは、要するに繁栄神学をこととする世俗派のクリスチャンである。特にモルモン教の影響が強いようだが、僕ら哲学者から見れば彼らの違いなど些細なものだ。
とはいえ、経営学の牙城の一つと言われる神戸大学に在籍していたという事情もあって、この手の「後知恵のカタログ」みたいな学問に敢えて学ぶべきことは何であろうかと、いまだに問うている。なので、こうしてあからさまに罵倒してはいるものの、『七つの習慣』は新書版を手元に置いているし、PHILSCI.INFO でご紹介したことだが、ジョン・C・マクスウェルの著作は10冊近くの原書を愛読している。まぁ、もちろん大人のおとぎ話としてだが。