Scribble at 2026-07-29 08:51:56 Last modified: 2026-07-29 16:22:10

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クラウドにしろ、ビッグ・データにしろ DX にしろ AI にしろ、およそ殆どの企業や組織ではコンピュータと通信ネットワークを利用することが前提や条件になっている状況で繰り広げられるマーケティングというのは、逆に言えば簡単なものだと言える。大昔のソフトバンク(もちろん、もともとはパソコン用のソフトウェアを販売する会社だった)の営業などは、そもそもコンピュータを会社に導入してもらうところから話を始めなくてはいけなかったわけで、僕が1980年代の末に働いていた雑誌出版社にも『一太郎』がインストールしてある PC-98 が置いてあったけれど、結局はそれが使えるのは僕だけだった(でも、僕のために導入したわけではなかった。本来は領収書の清書と印刷など事務方が使うはずだったらしいが、簡単に習得できるものではない)。

そういうわけなので、コンピュータや通信ネットワークが前提でサービスや商品を紹介されることが多いのだけれど、こういうことは同じ前提でコストや学習効率を検討するだけではなく、事業や業務の実態だとか情報の管理などといった原則に立ち返って、はたしてパソコンや通信で扱っていいものなのかどうかという点からも考えるべきであろう。たとえば、採用応募者から紙の履歴書を提出してもらう企業も多いと思うが、これらを果たしてスキャンして電子データにすべきかどうかは、実は自明なことでもなんでもない。なぜなら、この手の情報が記載されている媒体を電子データとして変換したり保存しなくてはいけない法令なんてないし(これは「e-文書法」の典型的な誤解。あるいは出入り業者の営業がわざとミスリードして妙なシステムやサービスを買わせようとする「バカのフリ作戦」でもありえる。まぁ本当のバカも多いわけだが)、そうしたからといって業務の効率が劇的に向上したり改善されるとも限らないからだ。

確かに、全国というスケールで支店や支社がある業容の企業であれば、どこかの本社機能で一括して管理するために電子化したりクラウド・ストレージに保管することが有利かもしれないが、殆どの中小企業で同じようなニーズがあるわけでもないし、そういうニーズが個人情報の適正な管理としてあるべき基準を満たさないとしても優先されてよいかどうかは、事業者や事業の内容による判断が必要であって、決して自明なことではないのだ(クラウド・ストレージに電子化したデータを格納すれば、完全性と可用性は向上するかもしれないが、機密性は紙媒体を本社のロッカーに保管するよりも向上するとは限らない。ロッカーの鍵を社外の人間と共有する者がいるかもしれないが、クラウド・ストレージの誤った設定で不特定の第三者とファイルを共有してしまうリスクに比べたらインパクトは小さい)。

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