Scribble at 2026-06-17 10:24:28 Last modified: 2026-06-17 10:32:01

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Has AI Already Killed How-To Nonfiction? Sales Trends, My Personal Data, and What It Might Mean for the Future

Self-help books(自己啓発本)の著者自身が、自分の本の売り上げについて推移を示しながら、生成 AI が普及してからの影響を考察している。著者のティム(Tim Ferriss)には5冊のベスト・セラーがあるという。そして、それらの売り上げは生成 AI が普及してきた2022年から2026年のあいだに約 80 % も低下したという。そして、彼が調べたところでは、自己啓発本というジャンル全体でも、売り上げは2026年の第一四半期では前年比で 26.3 % もの急激な落ち込みかただという。

特に彼自身の本は、その構造が選択式メニューの体裁を採用していて、ルックアップ・テーブル式に読むべき内容を選んで取り出すようになっていて、これは生成 AI が得意としている回答のプロセスに近いものだ。したがって、このようにして情報やアドバイスを提供する方法は、既に生成 AI に飲み込まれてしまっているというのが、彼の見立てである。こうなると、将来はどうなっていくのだろうか。

ティムは、自己啓発本やハウツー本は炭鉱のカナリアだと語っており、以下のようなジャンルのメディアやコンテンツも生成 AI に飲み込まれてしまう危険があるという。

・ハウツー系 YouTuber(AI が動画を代わりに見て、必要な部分だけをユーザに教える)

・処方的ポッドキャスト(膨大な数のエピソードを AI が抽出・要約・個別化する)

・オンライン講座、ニュースレター、アドバイス系ブログ(頭の中の情報を他人に移すだけで儲けるような仕組みは生成 AI に凌駕される)

・検索、購買、動画のナビゲーションや書籍のブラウジング(AI がユーザ・インターフェースになる)

こうして、大半のコンテンツやファイルや動画は生成 AI の「ソース」や「訓練データ」となり、ユーザからは直にアクセスされなくなると予想される。実際、既に Google 検索したら多くの人は AI モードの回答だけを読み、その下に並んでいるリンクをクリックしなくなっているという。したがって、既に SEO なんてものに意味がなくなり、そうした業者は次々に "AIO"(AI 最適化)をうたう事業に転換しはじめている。

ただし、ティムの意見では、次のようなコンテンツは依然として残るだろうと言われている。それは、物語、経験談、エンタメ、あるいは特定の声や味や個性を訴えるようなコンテンツ、それから紀行文のようなものだ。なぜなら、人の気持ちや行動を動機づけたり動かすには、"bullet point" だけでは不十分だからである。したがって彼自身は、このような状況においてもさほどパニックにはなっていないという。要するに生成 AI による情報の流通は10万人を短く雑に動かすだけの効果しかなく、100人を長く丁寧に動かすような力はないし、もともとそういうものとして考案されていないからだ。したがって、生成 AI と競争するような方向に仕事や事業を向けるのは、単なる過当競争に巻き込まれるだけなのである。ただ、事態は更に深刻となっているように思う。なぜなら、もう既に小説や評論、あるいは学術論文ですら生成 AI が自動で吐き出した原稿と人が何年もかかって書いた原稿との区別がつかなくなっており、ご承知のとおり一部の小説コンクールでは審査員が辞任したりコンクールそのものを終了する結果にもなっている。

なので、あいかわらず自己啓発本を書く人々の調子そのまんまで、ティムの提言では、やれコアなファンを見つけようとか(いや、それ昔から言われてることだよ。通販の化粧品メーカーや健康食品メーカーなんて固定客が10,000人いれば儲かるっていうし)、驚きや喜びを提供しようとか(もう生成 AI のコンテンツの方が面白いと言ってる人も増えてきている)、あるいは長期的な関係を気づくことが重要だとか言われているけれど、僕は彼のそういうアドバイスには疑問がある。さすがは自己啓発本の著者だけあって間違ったことは言っていないものの、それは大半の人には実行不能なアドバイスだからだ。なぜなら、コアなファンがいて、ファンに喜びを提供し、そして長期的な関係を築いているのは、まさに無数のチャレンジャーの中で成功した人々だけだからだ。つまり、彼のアドバイスは「成功者のようになるには、成功することが大切だ」と言っているだけなのである。自己啓発本って、実はみんなこういう構造の文章なんだよね。

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