Scribble at 2026-10-17 10:32:54 Last modified: unmodified
『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の批評をまとめてみて、なるほど喫煙はどんどん気軽にどこでもできることではなくなりつつあるし、喫煙者というものがアウトローに近い存在として扱われ始めている様子も、この作品に対するコメントでおおよそ感じられた。
考えてみれば、僕らが小学生の頃とは隔世の感がある。まだ JR が「国鉄(日本国有鉄道)」と呼ばれていた頃は、大阪環状線のような通勤列車の中でも煙草を吸っていた人がいたことを覚えている。たいていの勤め人はどこででも煙草を吸っていたし、なんなら煙草を咥えながら仕事をしていた人も多くいた。僕が卒業した小学校(国立の学校だ)ですら、教室の一角にある教員用の机には灰皿が置いてあって、昼ご飯を食べた後に先生がそこで一服している光景が当たり前だったのだ。もちろん、これらの経験を美化するつもりはない。そして、喫煙の健康に及ぼすリスクは既に明白と言ってもいいわけなので、このような設定の作品が文芸という一定の理由で許される時代が過去のものになることを願っている。20年後に、佐々木ではなく山田が先に肺癌でこの世を去るといったストーリーは、あまり見たくないものだ。