Scribble at 2025-12-16 13:58:11 Last modified: 2025-12-17 11:27:17
本書は、母親が入院したときに後期高齢者医療制度の関連で買ったのが2018年だった。母親は入院してから3ヶ月ほどで亡くなってしまったので、それからさほど高齢者医療や高齢者福祉について継続して学んだり調べたりしていなかったけれど、今度は父親が介護保険認定の「支援1」を受けるていどには老いてきたし、そもそも僕自身がもうすぐ還暦とあっては無関係でもなかろう。ひとまず、あと30年は生きていたいという意欲がある。というわけで、色々な事情があって本書を最新版へと買い替えた。
この分野に社会科学の哲学として関心を持っている人は多くないと思うが、そういう特殊な事情がなくても、社会保障や社会福祉に関心があればご存知の方がいるように、この手の「小六法」には幾つか種類があって、ミネルヴァ書房から出ている小六法も有名だ。実際、セールス文句には、社会福祉士などの資格試験で受験者に最も使われているなどと、どういう根據があるのか知らないが書かれているくらいだ。
でも、さきほどジュンク堂で実際に中央法規出版の小六法と比較してみて、ミネルヴァ書房の小六法は文字が小さくて書体が細すぎると感じた。いまや、とりわけ高齢者福祉の現場は、支援や介護を受ける側だけでなく、支援したり介護する側も定年後の人々だったりするのだ。つまり、サービス側もクライアント側も老眼なのであって、文字のサイズやウェイトには現実のユーザに応じた「デザイン」が必要だと思う。もちろん、僕は老老介護が最善だと言いたいわけではない。
身も蓋もないことを言うようだが、しょせん法令集は著作権が存在しない法令という無料のコンテンツを再編集して出版しているにすぎない。こう言っては失礼かもしれないが、アマゾンでパブリック・ドメインの文学作品や Wikipedia の記事をコピペして書籍として販売している連中と、著作権法上は同じことをやっているのである。もちろん、僕もプロのデザイナーとして版下の制作に色々な知識や技量が必要であることは承知しているが、書籍の出版にあたって最もコストのかかる執筆すなわちコンテンツの制作にコストがかからないという事実は変えようがないわけであるから、どのみち「小六法」として介護保険法などは一部を抄録しかできないのは、どこの出版社も同じであるし、要は出版物として比較できる重要なポイントは版面のデザインなのだ。