Scribble at 2025-04-24 19:15:58 Last modified: 2025-04-24 19:56:03

昨日からマイケル・ウェランドの『砂』を読んでいるのだが、中盤あたりで登場する Henry Clifton Sorby について Gemini の Deep Search モデルを使って調べさせようとすると、「大規模言語モデルとして私はまだ学習中であり、そちらについてお手伝いできる機能がありません」という返事が返ってきた。確かに資料の少ない人物ではあろうが、彼を記念する地質学のアワードまであるというのに(2023年に東大の幾原雄一氏が受賞されている)、東アジアの小人のページはともかく、英語のページならそれなりにソースがあると思ったが期待外れであった。

改めて Wikipedia のエントリーを確かめると、なるほど外部ソースが少ないし、あるとしても Wayback Machine のページになっていたりする(ちなみに、僕が "Wikipedia" と表記するときは英語版である。日本語版は「ウィキペディア」と書き分けている。理由は、日本語版のエントリーは、とりわけ日本のユーザが得意としているアニメと AV 女優のページは英語版の翻訳ではないので、「Wikipedia 日本語版」と表記するのは誤解を招くからだ)。

以前も書いたのだが、いわゆる科学哲学における物理学典型説といわれるスタンスは、僕は単なる偏見あるいは「俺って物理が分かってるじゃん」みたいな自意識プレイの結果でしかないと思うが、たいていの科学哲学の通俗本がそもそも読み物として面白くない理由の一つだと思っている。なので、個人的に考古学を学んでいたという事情もあって、土質工学や地理学や地質学や測量学や土壌微生物学の話題も採り入れたいと思っている。

それから、ついでに雑感として書いておくと、『砂』は長らく本棚に置いてあったものを手にとって読み始めたのだが、いくらか興味深い話題を知るきっかけになったものの、正直なところ期待外れな内容だった。特に後半はひたすら些末な事例が続々と列挙されているだけで、地質学の本としてはさほど興味深い内容が見当たらなかったのは残念だ。帯には「待望の邦訳」と書かれているが、待望していたのは出版社あるいは一部の地質学プロパーだけではないのかという気もする。デイビッド・モントゴメリーの『土の文明史』の方が単純に読み物としても面白かった(実際、築地書館のサイトで知ったのだが、『土の文明史』は13刷という増刷を数えるくらい売れ続けているようだ)。

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