Scribble at 2025-03-03 08:47:27 Last modified: 2025-03-03 11:04:12

Professor David Gunkel, a leading researcher in robot ethics, has dedicated his research to examining the unique ethical challenges and considerations surrounding robots. People often form emotional bonds with robots and AI products they interact with personally, such as pet robots or virtual assistants, sometimes even experiencing sadness when these machines malfunction. Unlike traditional tools, these technologies inspire attachments, yet they lack the life of living beings or the personality of humans. What status should societies provide robots as neither mere thing nor person? This lecture will delve into the unique moral status of robots, drawing on insights from Professor Gunkelʼs influential trilogy on robot ethics: The Machine Question (2011), Robot Rights (2018), and Person, Thing, Robot (2023).

David Gunkel Tokyo Lecture "Person, Thing, Robot"

珍しく八重洲の会議室を借りてまで哲学の公開講演が開かれるという。この手の話題も、もちろん半世紀以上にわたって SF オタクや理工系の技術者などが色々と議論したり本や論文を出しているものの、いまいちこれと言って思想的なインパクトのある成果がない。この手の話題で「古典」と言えるような著作物が、僕ら科学哲学の研究者にすら全く知られてもいないという事実が、この分野の貧弱な状況を物語っている。なんなら、"R.U.R." でも読むか?

なんでかというと、逆に誰でも参加できる話題だからだ。ロボットなんて人々の妄想が渦巻いてるイメージで覆い尽くされており、既に学者が社会心理学的なレベルで多くの人々の錯覚や偏見を軌道修正するような再定義をすることなど不可能に近い。こういう素人や馬鹿でも参加できる話題というのは、学者が何か提案したり行政が応用しても、たちどころに色々な人達が自分の少ない経験や利害関係をもとに、いっぱしの専門家あるいは自説を立てる資格や権利があるかのように反論したり判断できてしまう。みなさんにも覚えがあると思うが、たとえば「教育」、たとえば「子育て」、たとえば「ゲーム」、たとえば「食事」、たとえば「仕事」、たとえば「スポーツ」、たとえば「人の生死」、たとえば「金儲け」、たとえば「ロボット」というわけだ。昨今では、たとえば「哲学」なんてことにもなりかねないくらい通俗化が進んでいるから、そのうちたとえば「科学哲学」なんて言われるくらい、誰もが馬鹿げた妄想を語るようになるのかもしれない。君ら無能がばらまいてる俗書は、そういうことを意図して出版されているも同然なのだ。

なんにせよ、仮に参加者が妄想している「ロボット」とは異なる理解で議論が進められると、多くの聴衆はめいめいに「それは俺が思っている『ロボット』とは違う。だから学者の議論というのは現実を見ておらず云々」ということにならざるをえない。なぜなら、たいていの凡人というのは自分の妄想が「現実」だからだ。それを再考させたり反省してもらうきっかけをつくることも哲学の(或る意味ではステレオタイプな)一つの効用なのかもしれないが、残念ながら昨今の聴衆の多くは自らの先入観や未熟さを叩きのめしてもらうために哲学を学ぶなんてマゾヒストのようなことはしない。世界で一つだけの花にも何か「意味」があると諭してくれる、やさしい議論、あるいは君にもできる NISA とばかりに現代社会をサバイバルする抜け目なさをクリシンで鍛えてくれることを期待していよう。これも、もちろん君たち都内の人々が出版社と一緒にばらまいている哲学の通俗書がシグナリングしていることでもある。

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