Scribble at 2023-07-26 15:31:11 Last modified: 2023-07-26 15:39:54

大手広告代理店が株主とあって、弊社には都内だろうと海外だろうと、実質的に「仕事をくれ」という営業メールが毎日のように送られてくる。その中には、いわゆるデザイン事務所やイラストレーターのマネジメント事務所などもあって、発注を求めるために色々なことを書いてくるし、殆ど見たりしないのだがポートフォリオや企業サイトの LP みたいなものも提示してくる。

ちなみに、ISMS やプライバシーマークを取得していて情報セキュリティに力を入れている企業に対して、短縮 URL をメールの本文に書いてクリックしてくれというのは愚行でしかない。クリックして、本当に御社のページが出てくる保証がどこにあるのか。クラウド・ワーカーみたいなアンドロイドどもに丸投げして Headless Chrome で大量にスパムをばらまくだけが営業の仕事ではないよ。

さて、そんな中でも偶然に相手の LP やポートフォリオを拝見する機会もあって、さきほども東京のイラストレータの元締めみたいなところからのメールに記載されていた URL からサイトを拝見した。すると、殆ど判子で押したように凡庸なプロモーションのコンテンツが並んでいて、またぞろ漫画やイラストの販促フレーズとして「『わかりにくい』を解決する」などと書かれている。当サイトの落書きを読んでいる暇な方であればご承知のことと思うが、こんなフレーズはたいていデタラメであり、認知科学どころか美学やデザインの実務としてすら殆ど根拠のない絵空事である。僕らは普段から、なんやかんやと文句を言われていても結局は日本のトップ・レベルのクリエーティブを扱っている電通の仕事を見ていて、それが分かる。場末の印刷屋でレンタカー営業の名刺くらいしかデザインしてないような連中に、そんなことが簡単にできたり分かるものか。

漫画やイラストによって、或る「わかりにくい」文章や概念が「わかりやすく」なるというのは、いったいどういうことなのか。そして、その根拠はなんであるか。この二つの簡単な問いだけでも、たぶんこの宇宙に明快な回答が与えられる哲学者など一人もいまい。事情はよく分からないが、僕は「孫弟子」だということになっている、ネルソン・グッドマンですら無理だと思うね。もちろん、東アジアの辺境国家でセーラームーンの分析哲学とかケツの穴の形而上学とかやってる連中には、5,000年かかっても無理だ。

  1. もっと新しいノート <<
  2. >> もっと古いノート

冒頭に戻る


共有ボタンは廃止しました。他人へシェアしてる暇があったら、ここで読んだあなたが成果を出すべきです。