Scribble at 2022-06-20 13:59:53 Last modified: 2022-06-20 14:05:27

大手企業とか上場企業のコストが無駄に多い理由は、簡単に言うと、まさしくコストの感覚が低レベルで古いせいである。

その典型が、クラウドのサービスについての考え方に表れている。つまり、たいていの大手企業とか上場企業の人々というものは、何かを調達したり利用するコストが予測可能でなくてはいけないと思い込んでおり、したがってクラウドのような〈使っただけ払う〉という従量課金でものを利用したり購入することはリスクであり、上司や株主に説明不能であると思い込んでいる。したがって、会社でも自宅でもそういうサービスや資産ばかりを使ったり購入していると、「利用料金が変動するなんてサービスが、この世にあるのか?」なんていう致命的に愚かで未熟な思い込みで、広告代理店の営業さんを吊し上げたり何かの説明プレゼンを要求したりする。従量課金のサービスがこの世にあるという事実にどんな根拠や事情や正当性があるのかということを、広告代理店の社員に資料まで作らせたりするんだぜ? 上場企業や、上場してなくても大企業の社員というのは。これで労働組合があって昼寝してても給料は上がるし、ボーナスも退職金もあるのだから、慶応や早稲田といった三流大学を出た人間の人生としては、それこそ面白おかしくてたまらないだろう。

ということなので、請求金額が毎回のように変わるのは困るらしく、これに対処する現実的で防衛的な方法と言えば、最初から過剰な金額で見積もりを出すことだけだろう。なんの問題もなければ1ヵ月の利用料金が1万円のクラウド・サービスだとすると、見積もりでは3万円くらいを出す。もちろん、何かで炎上したとか特別な理由でアクセスが増えると足が出ることもあるが、その場合は特別な事情があったとして、後から請求額の補正ができるように個別業務委託契約を組んでおくわけである。もっとも、最初から相当な金額を吹っかけておけば、多少のコスト超過は賄えるかもしれない。そのあたりは、サービスの利用期間がどのていどかによる。

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