Scribble at 2021-04-06 23:34:51 Last modified: 2021-04-08 12:45:57

さきほど届いた『科学哲学』(53-2)だが、350ページにもなる。やけくそみたいに分厚いな。それほど発行部数が多いとは思えないのに、これで1,500円の値段を付けたり会員に配れているのは、昭和元年が発祥で多くの学会誌を手掛けている杉並の文成印刷という会社の企業努力にも負っているのだろう。

それにしても、学会運営に携わる人々も実際に書いているように、目次を眺める限りでは「科学哲学」というよりも「分析哲学」と書いた方がいいのではないかという印象を受けるが、さりとて今どき「分析哲学」と表記して効用なり妥当性があるのかどうかは怪しい。かと言って、僕は当サイトではっきりと非難しているが、よくあるような「現代哲学」などという不遜あるいは愚かな名称を付けることも望んでいない。

したがって、せいぜい「科学とはつまり自然科学のことではなく『知』のことであり云々」といった正当化をするくらいしかないのかもしれないが、しかしすぐ分かるように、その〈知〉の射程に「哲学」が入らないと言える保証などないし、保証するべきでもない。となると、或る局面では「哲学の哲学」ということになるので・・・といったように、もうこのあたりで科学哲学のプロパーならウンザリするような言葉遊び(つまり世界 I にも II にも、そして実は III にも大して関係がない)が延々と繰り返されかねないわけで、こうなってくると「哲学」でいいのにと思ってしまう。

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