2018年11月21日 に初出の投稿

Last modified: 2018-11-21 10:07:57

最近はヒュームの研究書が何冊か出ていて結構なことなのだが、"copy principle" という表現はいつ頃から使われているのだろう。PhilPapers で検索してみると(出版年度で逆順にできないから困るんだよね。"copy principle" というタグもないし)、「"copy principle"」 という strict keyword 検索で出版年度の順番に並べたら、Ruth Weintraub というテル・アビブ大学の研究者が2005年に書いた論文が最も古いのだが、これは当てにならない。そこで Google Scholar で「david hume "copy principle"」というキーワードを使って1900年から徐々に現在まで範囲を広げて検索してみると、1977年に John Larkin Lincoln という人物が "IN PRAISE OF HEDGEHOGS: Alfred North Whitehead's Critique of Hume" という修士論文をカナダのマクマスター大学に提出していたり、もっとさかのぼって1973年の Philosophical Studies に掲載された書評でオークランド大学にいた Gavin Ardley も使っていたようだ。1960年代以前のデータはないが、Google にデータがないだけなのか、それとも1970年代に "copy principle" というフレーズが coined されたのか不明だが、少なくとも僕がヒュームについて事実上の卒論(出身大学には卒論という制度がなかったため、博士課程前期課程を受験するにあたって勝手に書いた文書)を書いた1990年代前半には普及していたのだろう。当時は主だった英米圏の論文は Philosopher's Index などで丁寧に調べたつもりだったし、いまだから書くが関大で別の学科に在籍していた友人のカードを借りて関大千里山総合図書館の書庫へ入り、Mind やら JP やら Aristotelian Society やら Phronesis やらのバックナンバーを全て眺めて使えそうな論文を片っ端からコピーしていたものだったが、それでも "copy principle" というフレーズには出会わなかったと記憶している。あるいは、こういう「分析哲学らしい」キャッチーなフレーズなので、安易な合理的再構成だと無視したのかもしれないが。

いずれにしても、そろそろ新しい論説を加えていきたいのだが、かつて書いた「ヒュームの関係概念」という文書は半分くらいまで当サイトで公開したことがあるので、きちんと全てデジタル化して公開しておきたいため、こちらの復元を優先したい。ただ、30年近くも前に書かれた卒論レベル(言っておくが、それでも偏差値70レベルの大学の修士論文に匹敵する水準の文書だと自負している)の文書を再掲載するというのも芸がないので、それなりに後知恵は後知恵として明記しつつ推敲した上で再掲載しようと思う。

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