Scribble at 2026-04-29 07:27:35 Last modified: unmodified
それはさておき、「リモートワーク可」はよく見かけるものの、どちらかというと「働き方の種類」であって、あまり福利厚生だと捉えたことはなかった……そんなにも人気の福利厚生だとは。
それはね。人事管理という仕事の基本を理解せずに、自分の未熟な知識や直感だけで会社とか業務を理解しようとするからだ。「福利厚生」は、もともと英語では "employee benefits" と言う。従業員に対する業務環境の整備などによって、生産性を向上させたり、満足度を増やしたりすることで、衛生状態を維持したり定着率を上げることを指すのだ。多くの「アマチュア・サラリーマン」が錯覚しているような、オフィス・グリコだとか、休憩室にテレビを設置するとか、社内活動として「魔改造」がどうこうという番組に出演するとか、そういう些末で実は大して効果のない表面的なことだけが福利厚生なのではない。また、これは企業組織としての「管理的な施策」の一つなのであって、よく若い人が思い込んでいるような会社からのサービスとか施しみたいなものではないのである。それによって、君らが真面目に生産的に仕事するように仕向ける対策なのだ。
どうしてなのかと疑問に思う人は、こう考えるとよいだろう。仕事に対して給料を支払うことは、もちろん福利厚生などではない。これは誰もが当然だと思うはずだ。しかし、リモート・ワークは御社において導入することが当然であり、それをしなければ労働基準法や民法に違反するようなことだろうか。そうではない。結局のところ、リモート・ワークやフレックス・タイムを導入するかどうかは経営者の裁量に委ねられていて、採用しないからといって違法というわけではないのだから、それが嫌なら勝手に転職すればいいというのが、「職業選択の自由」や「自由な経済活動の社会制度」という表現の意味である。そういう中で企業がリモート・ワークを従業員の要望があろうとなかろうと採用して、自宅でも働けるようにするというのは、別に経営者が「いい人」だからでもなければ、会社が従業員をねぎらうために導入するわけでもない。それは、あくまでも業務環境を最適化したり選択の余地を増やすことで、企業という組織全体のパフォーマンスを向上させるためにやることなのだ。