Scribble at 2026-03-15 15:43:03 Last modified: unmodified
数学とファッションが大好きな女の子のストーリーということで、いかにもダイバーシティやギフテッド信仰が強いアメリカの出版社らしい御伽噺だ。そして、残念ながら、この手のストーリーというのは相変わらず「理系 vs. 文系」という区別や偏見を前提に書かれていて、決して数学もファッションも「どちらも」大好きだという当事者の感覚を描けていないんだよね。日本でも、なんだっけ、何の業績があるかもわからないクリスチャンのエンジニアが「数学ガール」とかいうシリーズの通俗本を山ほど書いてて IT 業界関係者だけから高く評価されているようだけど、ああしたものが余計に「こういう変な女の子」みたいな印象を強化してるところがあるんだよね。
上の本も、結局は STEM の視点から描かれているという意味では偏見をさらに強化してしまうリスクがある。なぜなら、こうやって描かれているのは「(女の子としては当然ながら)ファッションに興味がある(にもかかわらず、変わったことに)数学にも興味がある」女の子だからだ。決して、数学が大好きだけどファッションにも興味がある女の子ではない。日本でも、こういう設定のキャラクターを描いて、いかにもダイバーシティだなんだと言い張ってる本があったりするけれど、そこでは「書道の腕前もある数学者」しか描かれない。決して「グレブナー基底で学位を取った書道家」は描かれないんだよね。